歴史的瞬間 世界最大のラグジュアリーブランドとして知られる、ルイ・ヴィトン。その新たなメンズデザイナー(役職名はアーティスティック・ディレクター)に、今季からヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が起用され、業界やファンを驚かせている。 というのも、アブローはアフリカ系であるうえ、もともとファッションデザイナーでないという特異な人材なのだ。これまでルイ・ヴィトンに限らず、ラグジュアリーブランドにおいて、アジア系やアフリカ系、いわゆる「有色人種」のデザイナー、クリエイティブ・ディレクターはほとんどいなかった。 アブローと、彼の友人でありビジネスパートナーでもあるラッパーのカニエ・ウエストが、6月21日に行われた初のショーで涙ながらに抱き合う姿は、「アフリカ系がラグジュアリーブランドのトップに立った歴史的瞬間」の象徴として、世界中で話題となった。 「白人優位」の業界で 1980年、米