大学入試センター試験が終わったばかりだというのに水を差すようで大変申し訳ないが、あくまで近い将来に向けた話ということでお許し願いたい。本格的な大学全入時代を迎え、大学入試は抜本的な改革が不可避になっている。そのための論議のたたき台として、あえてセンター試験の「廃止」を据えるべきだ。 もちろん、センター試験やその前身である共通第一次学力試験(共通一次)がこれまで果たしてきた大学入試改善と高校教育への貢献は、高く評価してもし過ぎることはない。国立大学の一期校・二期校制時代にあった難問・奇問はおおむね一掃され、高校の教育課程や教科書に配慮した良問が出題されるようになった。共通一次時代には偏差値による大学の序列化が一挙に進んだという弊害を生んだとはいえ、入試方法の多様化・選抜尺度の多元化が進んだのも、一定の学力を担保する共通試験があってのことだった。 そうした入試改善が有効だったのも、あくまで18