【ローマ藤原章生】イタリア科学界の権威、国立研究会議(CNR)のロベルト・デ・マッテイ副会長(62)が東日本大震災を「神の善意の声であり、天罰だ」と語ったことに批判が集まっている。 同氏は16日に行ったラジオ講話で、1908年に同国南部で起きた地震について語った聖職者の言葉を借りながら「神は罪深い者だけでなく、徳のある罪なき者も罰する」などと述べ、被災者は一種の「犠牲」という考えを示した。 発言に反発する人々がネット上に辞任を要求するサイトを作り、27日までに約5000人が署名。26日付の伊スタンパ紙は1面コラムで、イタリアの守護神、聖フランチェスコをまつる「アッシジの大聖堂が(97年の地震で)壊れたのも修道士たちに対する天罰なのか」と批判した。