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*book*と*進化*に関するNihonjinのブックマーク (90)

  •  「飛び道具の人類史」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    飛び道具の人類史―火を投げるサルが宇宙を飛ぶまで 作者: アルフレッド・W.クロスビー,Alfred W. Crosby,小沢千重子出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2006/05/01メディア: 単行購入: 3人 クリック: 25回この商品を含むブログ (38件) を見る 原書の出版が2002年,書は2006年の出版で,ちょっと前のだ.原題は「Throwing Fire」で,飛び道具だけでなく火器も対象だ.著者は歴史家で,書は基的には歴史書なのだが,「人類史」とあるように最初の1/5ほどが人類の進化過程,次の1/5ほどが農業文明の勃興前の部分を扱っている. まずアウストラロピテクス時代の二足歩行にふれ,次に捕者としての人類の進化にとって投擲能力が重要であったのではないかという仮説を検討している.二足歩行,両眼視,ブラキエーションによる肩関節の自由度が前適応として効いて

     「飛び道具の人類史」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
  •  「二本指の法則」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    指の法則―あなたの健康状態からセックスまでを語る秘密の数字 作者: ジョンマニング,John Manning,村田綾子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/11/21メディア: 単行購入: 5人 クリック: 94回この商品を含むブログ (3件) を見る ヒトの手の人差し指と薬指の長さの比が,実はヒトのいろいろな特徴の指標となっているという話は,最初はいかにも与太話のように聞こえる.私としてはあのトリヴァースが真面目に取り上げているのを見て考えを改めたわけだが,書は当初トリヴァースの共同研究者としてこの研究を始め,その後も追い続けている研究者ジョン・マニングによるである.原題は「The Finger Book」で2007年に出版されたもの.マニングにはこの前に「Digit Ratio」というも著していて,この話題に関しては2冊目のようだ. さてマニングは序章で自分の経歴

     「二本指の法則」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
  •  「名誉と暴力」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    名誉と暴力: アメリカ南部の文化と心理 作者: リチャード・E・ニスベット,ドヴ・コーエン,Richard E. Nisbett,Dov Cohen,石井敬子,結城雅樹出版社/メーカー: 北大路書房発売日: 2009/04/01メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 5人 クリック: 46回この商品を含むブログ (3件) を見る 文化心理学者ニスベットとコーエンによるアメリカ南部の「名誉の文化」についてのである.アメリカ南部*1の文化とは何かというのは日人にはあまりなじみのないところだろう.「風と共に去りぬ」を見たり,読んだりした人なら何となく感覚はわかるかもしれない.ここでは南部諸州の白人の中で,「男性が礼儀正しく,名誉のためには死をも恐れない」というロマンスと上品さに満ち,他方で暴力的な側面も持つ文化があることを指している.私自身アメリカ南部で暮らしたことはなく何度か訪れたことが

     「名誉と暴力」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
  •  「日本の殺人」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    の殺人 (ちくま新書) 作者: 河合幹雄出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/06/01メディア: 新書購入: 9人 クリック: 195回この商品を含むブログ (57件) を見る 裁判員制度開始を見据えた,法社会学者による日の殺人の概説書.書は日における殺人の実態と,殺人に関する刑事政策の概要をかなりわかりやすく伝えてくれる.私的な動機としてはデイリーとウィルソン,バス,長谷川眞理子たちによる進化心理学的殺人研究に関連した生データが得られるかと思って読んでみたものだ. さて,事実として日においては殺人の発生率が諸外国に比べて非常に低い.書は前半でその中でどのような比率,数でどのような殺人が行われているかを紹介し,後半でそのような殺人犯が刑事施策としてどのように取り扱われてきたか,そして今後どうすべきかが論じられている.(なお書では当然ながら進化心理学的なトピックに

    Nihonjin
    Nihonjin 2011/07/25
    「精神病と殺人の関係については,やや精神薄弱気味の殺人が多く,サイコパスのような異常性格によるものはほとんどないということらしい.サイコパスにとっては日本では殺人は割が合わないということなのだろう」
  •  「Sex and War」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Sex and War: How Biology Explains Warfare and Terrorism and Offers a Path to a Safer World 作者: Malcolm Potts,Thomas Hayden出版社/メーカー: BenBella Books発売日: 2010/06/22メディア: ペーパーバック クリック: 28回この商品を含むブログ (1件) を見る 書は産婦人科医かつ生物学者であり,世界中の戦争地域や開発途上国で家族計画(人口増加抑制のための避妊推奨活動など)を推進してきた実践家であるマルコム・ポッツによるヒトの性と戦争についてのである.特に進化心理の専門家というわけではないが,紛争地域で活動してきた経験を踏まえた提言により重みのあるになっている. まず最初にグドールの発見したチンパンジーの近隣グループへの殺戮行為が取り上げら

     「Sex and War」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
  •  「人間の境界はどこにあるのだろう?」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    人間の境界はどこにあるのだろう? 作者: フェリペフェルナンデス=アルメスト,Felipe Fern´andez‐Armesto,長谷川眞理子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/08/06メディア: 単行 クリック: 13回この商品を含むブログ (11件) を見る 訳者の名前だけで買った一冊.著者は歴史家のようだ.題名からわかるように人間とは何かという定義を巡るだ. まず過去になされてきた「人間」の定義が,道具,言語,芸術,火の使用,文化,魂,意識とことごとく揺らいできていること,そもそも歴史的には動物と人間をそれほど峻別しない考え方が多かったことを述べ,そこから個別の論点にうつっていく. 論点は多岐にわたるが,基的には身体の特徴や,文化の特徴が,類人猿との間で質的な境界がないことを強調し,また進化的な考え方からは化石人類との間で連続性を認めざるを得ないことを指摘しつつ

     「人間の境界はどこにあるのだろう?」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
  • 世界中でもっとも成功した社会は「原始的な社会」/『人間の境界はどこにあるのだろう?』フェリペ・フェルナンデス=アルメスト - 古本屋の覚え書き

    「成功の要素」を考えてみよう。スピード、技術革新(※イノベーションだよ)、富(=料やエネルギーなどの余剰)の獲得といったところか。異論は出さないでくれ給え(笑)。 これらに共通するキーワードは「変化」である。スピードと技術革新は、社会の変化に対応するものであり、富の獲得は、社会の激変に備える蓄積であると考えられる。 実のところ我々は「変化」を恐れている。だからこそ、機先を制すべく身構えているのだろう。 共産主義は崩壊した(ことにしておく)。ソ連が崩壊した時点で、人類は計画経済よりも自由競争を選んだ。出てきたモグラの頭を先に叩けば勝者だ。資主義は早い者勝ちである。バーゲンセールに群がる主婦を見れば一目瞭然だ。あれこそ帝国主義の縮図だ(笑)。 1972年、世界に一石が投じられた。ローマクラブの第一報告書『成長の限界』が発表されたのだ。日が高度経済成長の最終コーナーからゴール直線に差し掛か

    世界中でもっとも成功した社会は「原始的な社会」/『人間の境界はどこにあるのだろう?』フェリペ・フェルナンデス=アルメスト - 古本屋の覚え書き
  • ネアンデルタール人も介護をしていた/『人類進化の700万年 書き換えられる「ヒトの起源」』三井誠 - 古本屋の覚え書き

    人類の進化をコンパクトにまとめた一冊。やや面白味に欠ける文章ではあるが、トピックが豊富で飽きさせない。 例えば、こう―― 北イラクのシャニダール洞窟で発掘された化石はネアンデルタール人(※約20万〜3万年前)のイメージを大きく変えた。見つかった大人の化石は、生まれつき右腕が萎縮する病気にかかっていたことを示していた。研究者は、右腕が不自由なまま比較的高齢(35〜40歳)まで生きていられたのは、仲間に助けてもらっていたからだと考えた。そこには助け合い、介護の始まりが見て取れたのだ。「野蛮人」というレッテルを張り替えるには格好の素材だった。 【『人類進化の700万年 書き換えられる「ヒトの起源」』三井誠(講談社現代新書、2005年)】 飽くまでも可能性を示唆したものだが、十分得心がゆく。私の拙い記憶によれば、フランス・ドゥ・ヴァール著『あなたのなかのサル 霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源

    Nihonjin
    Nihonjin 2011/07/25
    へえ。
  • A Natural History of Rape - shorebird 進化心理学中心の書評など

    A Natural History of Rape: Biological Bases of Sexual Coercion (Bradford Books) 作者: Randy Thornhill,Craig T. Palmer,Margo I. Wilson出版社/メーカー: The MIT Press発売日: 2000/01/18メディア: ハードカバー クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見るA Natural History of Rape: Biological Bases of Sexual Coercion (A Bradford Book) 作者: Randy Thornhill,Craig T. Palmer出版社/メーカー: A Bradford Book発売日: 2001/02/23メディア: ペーパーバック クリック: 4回この商品を含むブログ (1

    A Natural History of Rape - shorebird 進化心理学中心の書評など
  •  「ナンパを科学する」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    ナンパを科学する ヒトのふたつの性戦略 作者: 坂口菊恵出版社/メーカー: 東京書籍発売日: 2009/04/17メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 28人 クリック: 223回この商品を含むブログ (19件) を見る HBES-Jの事務局として活躍されていた進化心理学者坂口菊恵先生によるである.一般向けの単著としては初めてのということで,これまでのご自身の研究を踏まえて書かれており,大変まじめな啓蒙書の仕上がりになっている. *1 内容はナンパ,痴漢のされやすさの個人差にかかる進化心理学的なリサーチが主体である.進化心理学的なリサーチは通常,ヒトのユニバーサルな特徴について適応の視点から説明しようというスタンスが基になる.しかし片方で,ヒトの性格(そしてそこから生まれる行動特性)には多くの個人差があることが知られている.書ではこの個人差について考えていこうというもので,リサ

     「ナンパを科学する」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
  • 『進化発生学:ボディプランと動物の起源』 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    ブライアン・K・ホール[倉谷滋訳] (2001年5月20日刊行,工作舎,ISBN:4875023510) 【書評】※Copyright 2001 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved "DEVELOPMENT EVOLVES":発生学のあるべき「現代的総合」を歴史的に描き出す 個体発生と系統発生の進化的な関わりについては,19世紀以来あまたの学説や理論が提出されてきた.「個体発生は系統発生の短縮された反復である」とみなしたエルンスト・ヘッケルをはじめ,個体発生と系統発生の並行性(形質の一般性の程度)に着目したカール・エルンスト・フォン・ベーアなど,現代にも名を残す研究者たちが進化発生学の問題に取り組んできた. しかし,現代進化学の基盤を形成した1930〜40年代のthe Modern Synthesis から発生学がはずれてしまったことは,発生学と

    『進化発生学:ボディプランと動物の起源』 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek
  • 『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎(上・下)』 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    ジャレド・ダイアモンド (2000年10月2日刊行,草思社,ISBN:4794210051 [上] / ISBN:479421006X [下]) 【書評】 ※Copyright 2000 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved なぜ「差異」が生まれたのか?1998年に書("Guns, Germs and Steel")でコスモス国際賞を受賞したダイアモンド教授は、大阪と東京で開催された受賞記念講演会のタイトルを「過去13,000年間、人類はなぜ異なった大陸で異なった発展をしたのか」と付けました。このタイトルは、このたび訳されたの問題設定をもっとも凝縮したかたちで表現したものです。この問題に対する著者の回答は明快です:「それは、人びとのおかれた環境の差異によるものであって、人びとの生物的な差異によるものではない」(上巻: 35)。この主張が、単純な

    『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎(上・下)』 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek
  •  「ぼくらはそれでも肉を食う」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    ぼくらはそれでも肉をう―人と動物の奇妙な関係 作者: ハロルドハーツォグ,Harold A. Herzog Jr.,山形浩生,守岡桜,森正史出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2011/06メディア: 単行購入: 8人 クリック: 937回この商品を含むブログ (34件) を見る 書は心理学者ハーツォグによる動物に関する様々な心理を扱ったということになる.人はこのような分野をヒトと動物の相互関係を扱う新しい分野として認識し,Anthrozoology*1と呼んでいるようだ.原題は「Some We Love, Some We Hate, Some We Eat」ということで片方で愛玩し片方でべるというヒトと動物(特に家畜)の複雑な関係を示すものになっている.訳書はカバー絵に畑正憲のアクリルガッシュを用いるなどややポップ調に仕上げていてちょっとおしゃれだ. 書は内容的には様々な

     「ぼくらはそれでも肉を食う」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
  • Amazon.co.jp: 不死細胞ヒーラ  ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生: スクルート,R. (著), 中里京子 (翻訳): 本

    Amazon.co.jp: 不死細胞ヒーラ  ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生: スクルート,R. (著), 中里京子 (翻訳): 本
    Nihonjin
    Nihonjin 2011/07/20
    面白いのは、細胞の「性能」じゃなくて研究や経済的な必要により人類に「メンテナンス」され続けるから「不死」という結果になることだな。
  • 【レビュー・書評】不死細胞ヒーラ ―ヘンリエッタ・ラックスの永遠(とわ)なる人生 [著]レベッカ・スクルート - 書評 - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

    不死細胞ヒーラ ―ヘンリエッタ・ラックスの永遠(とわ)なる人生 [著]レベッカ・スクルート[評者]辻篤子(社論説委員)[掲載]2011年7月17日著者:レベッカ・スクルート  出版社:講談社 価格:¥ 2,940 ■細胞は誰のものか、「彼女」と家族追う 「ヒーラ」という名前に全く覚えがなくても、私たちの誰もがその恩恵を被っていることはほぼ間違いない。 ヒーラ細胞は、世界で初めて培養に成功したヒト細胞で、がんや肝炎、遺伝子の研究からインフルエンザの薬の開発まで、20世紀後半以降の生命科学と医学の飛躍的な進歩を支えてきた。 書は、その細胞をめぐる、科学と人と社会、とりわけ、人種や貧困などの根深い問題を抱えた米国社会の驚くべき物語である。 そのエッセンスは、当時16歳だった著者の心をとらえた、地域短大の生物学の授業での教官の言葉に集約されるだろう。 彼は「ヒーラ細胞は、過去100年に医学界で

    Nihonjin
    Nihonjin 2011/07/20
    なにこれすごい読みたい。ネット生命体みたいな話より興味深い。遺伝子的に見たら最も成功した人間になるのかな。本人はうれしくないだろうけど。
  • shorebird 進化心理学中心の書評など

    War and Peace and War: The Rise and Fall of Empires (English Edition) 作者:Turchin, PeterPlumeAmazon 第7章までで第1部:帝国創成編(Imperiogenesis)が終わり,ここから第2部:帝国病編(Imperiopathosis)になる 第2部 帝国病:帝国の崩壊 第2部では繁栄を極めた帝国や強国がどのように崩壊に向かうのかが詳しく説かれる.第1部ではアサビーヤのブラックホールのような団結心の崩壊だけが描かれたが,第2部では,経済的要因,デモグラフィック要因,社会階層要因なども考察されていく. 最初の第8章で取り上げられるのは14世紀のフランスだ. 第8章 運命の車輪の逆側:栄光の13世紀から絶望の14世紀へ その1 第8章の冒頭は13世紀初頭にパリを訪れた年代記編者バゾーシュの引用から始まっ

    shorebird 進化心理学中心の書評など
    Nihonjin
    Nihonjin 2011/07/19
    洋書・邦書・翻訳、進化生物学
  • 『社会生物学論争史2』 - delphicaの読書メモ(個人的覚え書き)

    社会生物学論争史〈2〉―誰もが真理を擁護していた 作者: ウリカセーゲルストローレ,Ullica Segerstrale,垂水雄二出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2005/02/23メディア: 単行購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (32件) を見る 「1」のほうですでに、ルウォンティンら、社会生物学を批判する陣営のやり方にはちょっとおかしな点があったわけだが、「2」に入ると、これはもう完全におかしいと言わざるを得なくなる。 どこがおかしいのか? かいつまんで言うと、ウィルソンがその著書の中で「Aではない」と主張したとすると、批判する陣営は、「ウィルソンはAと言った」と非難するのだ。もちろんウィルソンはAと言った――ただし否定の文脈で。 こういう文脈無視の「引用」をしてしまった段階で、批判者陣営の信用は地に落ちるし、社会生物学論争については白黒ついたとも考えられ

    『社会生物学論争史2』 - delphicaの読書メモ(個人的覚え書き)
    Nihonjin
    Nihonjin 2011/07/19
    『社会生物学論争史2』
  • 『社会生物学論争史 1』ウリカ・セーゲルストローレ著 垂水雄二訳 - delphicaの読書メモ(個人的覚え書き)

    社会生物学論争史〈1〉―誰もが真理を擁護していた 作者: ウリカセーゲルストローレ,Ullica Segerstrale,垂水雄二出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2005/02/23メディア: 単行購入: 1人 クリック: 43回この商品を含むブログ (41件) を見る わたしは理論物理の出身だ。この分野は、人間社会のモラルとはかなり遠いところにある。たとえば、核子の集団運動について研究することから、人間集団のあるべき姿について何か示唆が得られるだろうと考える者はいない。あるいはまた、陽子と中性子が、核子という同じ一つのもののアイソスピン状態が違うだけだと述べることが、人間社会のダブルスタンダードに対して問題を提起することになると思う者もいない。 そんなバックグラウンドをもつわたしにとって、書に書かれていることは、頭ではわかっていたとはいえ(社会ダーウィニズムの歴史とかはわたし

    『社会生物学論争史 1』ウリカ・セーゲルストローレ著 垂水雄二訳 - delphicaの読書メモ(個人的覚え書き)
    Nihonjin
    Nihonjin 2011/07/19
    『社会生物学論争史 1』ウリカ・セーゲルストローレ著
  • 俺みたいな文系素人が進化論を面白がるための約20冊 - 万来堂日記3rd(仮)

    私はどこからどう見ても文系でサイエンス的な素養は全くなく、数学大嫌いな人間なんですが、進化論についての一般向けのを読むのは大好きでして。 そんな私が面白がってきたを並べてみたら、私みたいに面白がりたい人へのブックガイドにならないかな、なったらいいなぁ、などとしばらく前から考えてまして。忙しくてブログ書く時間がとれなかったんですが、時間がとれたのでやってみますね。 そもそもなんで進化論のを好んで読むようになったのか振り返ってみると、ご多分にもれず、学生時代にグールドの「ワンダフルライフ」を読んだから、なんですねー。 奇妙奇天烈でかつ美しいバージェス動物群のイラストに彩られた書。もうそのイラストの数々を眺めているだけでも楽しめるのですが、その生物たちについて語るグールドがこう、熱いわけです。修造みたく*1。 グールドが書で展開する進化観というのが彼独特でして、曰く、カンブリア紀に突如

    俺みたいな文系素人が進化論を面白がるための約20冊 - 万来堂日記3rd(仮)
  • CUT 2004/11 Book Review / きみは進化のために何ができるか? バカやブスの存在理由について。

    きみは進化のために何ができるか? バカやブスの存在理由について。 (『CUT』2004 年 12 月) 山形浩生 鏡をのぞきこんで「なぜ自分はもうちょっと見た目がよくないのか」とため息や涙を漏らしたことのあるあなた。なぜ神様は自分をもうちょっと頭良く作ってくれなかったのか、とお嘆きのあなた。それにはちゃんと、人類進化上の理由があったのです。それを説明する、悲しくもおもしろいがでましたよ。ニコラス・ハンフリー『喪失と獲得』だ。 進化と遺伝と心の話というと、日ではドーキンスが普及してきた直後に、竹内久美子がとてもいやな形で汚染して、下ネタおやじギャグで悪しきセクハラ現状維持の屁理屈をこねるトンデモ分野という印象を構築してしまった(新潮社の「進化論の現在」シリーズは、彼女の訳や解説であるが故に手を出さなかった人がかなりいると思う)。国内ではそれに対抗できる人材があまりなく、なんかいかがわしい

    Nihonjin
    Nihonjin 2011/07/17
    内容は良いけどタイトルと最後がトンデモだと思う。/トレードオフみたいなのが好きなんだな。