本書は、アリの巣に住み、アリと共生する昆虫(好蟻性昆虫)やその他の節足動物(クモやダニなど)に関する図鑑である。なんというか、読者対象狭すぎな本だが、好蟻性昆虫マニアやヘンな虫好きにとっては、よくぞ出してくれた! と狂喜乱舞するような、奇跡的な一冊なのだ。 著者は、HONZでも話題になった『ツノゼミ ありえない虫』や、好蟻性昆虫の魅力とその研究の苦労を活き活きと、楽しげな筆致で語った『アリの巣をめぐる冒険』の丸山宗利氏に、アリ好きなら知らぬものはいない、アリ専門店Antroom経営の島田拓氏(ここで売っている蟻マシーン3号が欲しくてたまらない)、岐阜県の蟻ならこの人!の、木野村恭介氏、不幸にして虫、特に始末におえない蝶の世界に足を突っ込んでしまった岩手大学の博士課程在籍の若きホープ、工藤誠也氏、そして、すでに好蟻性昆虫の写真集も出している小松貴氏。まさにオールスターである(たぶん)。 言う