ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (16)

  • ジョージ・オーウェル『1984年』を山形浩生訳で読んだら驚くほど面白かった

    有名だけど退屈な小説の代表格は、『一九八四年』だ。全体主義による監視社会を描いたディストピア小説として有名なやつ。 2017年、ドナルド・トランプが大統領に就任した際にベストセラーになったので、ご存知の方も多いだろう。「党」が全てを独裁し、嘘と憎しみとプロパガンダをふりまく国家が、現実と異なる発表を 「もう一つの事実(alternative facts)」 と強弁した大統領側近と重なったからかもしれぬ。 『一九八四年』は、学生の頃にハヤカワ文庫で読んだことがある。「ディストピア小説の傑作」という文句に惹かれたのだが、面白いという印象はなかった。 主人公のウィンストンは優柔不断で、あれこれグルグル考えているだけで、自ら行動を起こすというよりも、周囲の状況に流され、成り行きで選んでゆく。高尚な信念というより下半身の欲求に従っているように見える。 「党」を体現する人物との対話も、やたら小難しく何

    ジョージ・オーウェル『1984年』を山形浩生訳で読んだら驚くほど面白かった
    Outfielder
    Outfielder 2024/01/27
    翻訳者としての山形先生の評価 https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20221209135746
  • ミスを責めるとミスが増え、自己正当化がミスを再発する『失敗の科学』

    人はミスをする。これは当たり前のことだ。 だからミスしないように準備をするし、仮にミスしたとしても、トラブルにならないように防護策を立てておく。人命に関わるような重大なトラブルになるのであれば、対策は何重にもなるだろう。 個人的なミスが、ただ一つの「原因→結果」として重大な事故に直結したなら分かりやすいが、現実としてありえない。ミスを事故に至らしめた連鎖や、それを生み出した背景を無視して、「個人」を糾弾することは公正なのか? 例えば、米国における医療ミスによる死亡者数は、年間40万人以上と推計されている(※1)。イギリスでは年間3万4千人もの患者がヒューマンエラーによって死亡している(※2)。 回避できたにもかかわらず死亡させた原因として、誤診や投薬ミス、手術中の外傷、手術部位の取り違え、輸血ミス、術後合併症など多岐にわたる。数字だけで見るならば、米国の三大死因は、「心疾患」「がん」そして

    ミスを責めるとミスが増え、自己正当化がミスを再発する『失敗の科学』
    Outfielder
    Outfielder 2024/01/06
    「ミスを責めるとミスが増える」なんてことは経験的に誰だって知ってることで、だからこそ、原発とか行政の失点を責め立てたい政治的な案件では野党やマスコミは個人の糾弾を張り切るようになる
  • なぜ、あの人は、あやまちを認めないのか?

    「謝ったら死ぬ病」をご存知だろうか? どんなに証拠を突き付けても、絶対に非を認めない人だ。 プライドの高さや負けず嫌いといった性格的なものよりもむしろ、過ちを認めることが、自分の命にかかわるものだと頑なに信じている。すなわち、「謝ったら死ぬ」という病(やまい)に取り憑かれている―――そんな人がいる。 もちろん、想像力が衰えて視野が狭く、無知な自分を認めたがらないような頑固者なら、可哀そうに思えども理解はできる。 だが、第一線で活躍する知識人や学者で、ものごとを客観視できるはずなのに、この病気に罹っている人がいる。それどころか、その優れた知性を用いてコジツケを考えだし、論理を捻じ曲げ、のらりくらりと言い逃れる。 なぜ、あの人は、あやまちを認めないのか? ずばりこのタイトルの書を読んだら、疑問が氷解した。 それと同時に、「謝ったら死ぬ病」は私も罹患していることが分かった。「あの人」ほどは酷く

    なぜ、あの人は、あやまちを認めないのか?
    Outfielder
    Outfielder 2023/11/18
    また草津の話?
  • 悪用厳禁:論理戦に勝つ技術『レトリックと詭弁』

    巧妙な詭弁は、それが詭弁だと分からないことが多い。 例えば夏目漱石『坊ちゃん』のここ。教頭の赤シャツが、坊ちゃんをやり込めるところだ。さらりと読むと、詭弁だと分からない。 赤シャツ「じゃ、下宿の婆さんがそう云ったのですね」 坊ちゃん「まあそうです」 赤シャツ「それは失礼ながら少し違うでしょう。あなたのおっしゃる通りだと、下宿屋の婆さんの云う事は信ずるが、教頭の云う事は信じないと云うように聞えるが、そういう意味に解釈して差支えないでしょうか」 赤シャツから「給料を上げてやる」と言われたものの、坊ちゃんが断りに行くシーンだ。 ふつうに考えたら、給料が上がるのは嬉しいことなのだが、坊ちゃんは納得しない。というのも、赤シャツの提案にはウラがあることを、下宿屋の婆さんに聞かされたからである。 赤シャツは教頭なので人事権がある。人の恋路に横恋慕して、邪魔者を転勤させた結果、巡り巡って坊ちゃんの給料が上

    悪用厳禁:論理戦に勝つ技術『レトリックと詭弁』
    Outfielder
    Outfielder 2022/08/28
    普通の人はこういう知識を持ってしまうと自然と自分では使わなくなる。ところが世の中には倫理観がぶっ壊れてる人がいて、躊躇なく詭弁を振り回した上に「あの人はケンカ上手」と担ぎ上げられて嬉しがったりまでする
  • 「科学」と「正義」を混同すると、たいてい地獄ができあがる『禍いの科学』

    アヘン、マーガリン、優生学、ロボトミーなど、科学的に正しかった禍(わざわ)いが、7章にわたって紹介されている。あたりまえだった「常識」を揺るがせにくる。 ヒトラーの優生学 たとえば、アドルフ・ヒトラーの優生学。 劣悪な人種を排除すれば、ドイツを「純化」できると信じ、ユダヤ人を虐殺したことはあまりにも有名だ。 だが、ガス室へ送り込まれたのは、ユダヤ人だけではない。うつ病、知的障害、てんかん、同性愛者など、医者が「生きるに値しない」と選別した人々が、収容所に送り込まれ、積極的に安楽死させられていった(『ナチスドイツと障害者「安楽死」計画』が詳しい)。 『禍いの科学』によると、ナチスの優生学は、ヒトラー自身が編み出したものではないという。出所は、『偉大な人種の消滅』という一冊ので、ヒトラーが読みふけり、「このは、私にとっての聖書だ」とまで述べたという。 『偉大な人種の消滅』はマディソン・グラ

    「科学」と「正義」を混同すると、たいてい地獄ができあがる『禍いの科学』
    Outfielder
    Outfielder 2021/01/10
    「環境保護の重要性に目を向け、社会運動を起こした一冊」「『沈黙の春』の文章は美しく、情緒豊かに強い説得力で、読者の心に訴えかけた。だが、それを支えるデータは少なく」
  • 読むべき最高のテキストは東大入試現代文にある

    いま読むべき、考えるべきテーマは、東大入試の現代文に集まっている。 日最高の学府は、未来の知を背負う人として、どういった人を求めているか?  何をテーマとし、どんなを俎上に載せ、どこに着目し、どんな問いを投げ、いかなる解答を期待しているか? そこに、「入試問題」という形をとった、東京大学からのメッセージを見ることができる。 これが数学英語の問題だと、ちょっと手が出ないかもしれない。 だが、これが現代文なら、とっつきやすい。 東大のメンツにかけて「いま考えるべきテーマ/読む価値のあるはコレだ!」として選び抜き、しかも、「良いところはこの部位」と切り出してくれる。つまり、どんな知が求められているか? への東大の応答が、入試現代文そのものなのだ。 『東大のヤバい現代文』は、そうした脂の乗った良問を、関連書籍とともに美味しく料理してくれる。ナニ、東大と臆するなかれ、丁寧な解説で、何が重要

    読むべき最高のテキストは東大入試現代文にある
    Outfielder
    Outfielder 2020/04/18
    東大現代文というと、2016年第1問で当時はてなでバカにされてた反知性主義を「バーカ」の意味で使った内田樹の文章を出してきた時点でアレだと思ってる https://b.hatena.ne.jp/entry/s/cruel.hatenablog.com/entry/2015/10/16/184914
  • フェイク歴史を言ったもの勝ちになるいま、『なぜ歴史を学ぶのか』

    フェイクニュースがまかり通り、「真実」が希釈化されるいま、歴史学は何ができるのか? この疑問に答える手がかりは、アメリカ歴史学者リン・ハントが著した書にある。 著者はまず、歴史政治化という問題について、具体的に説き起こす。 ホロコーストを否認するメリット たとえば、ホロコーストの否認だ。ナチス・ドイツが組織的に行った大量虐殺を「なかった」ことにする。それも、SNSや思想団体というレベルではなく、政府高官レベルでホロコーストを否認するところもあるという。 2005年12月、イランのアフマディネジャド大統領は、ホロコーストを「創り出された神話」だと発言した(※1)。ただし、核計画に対する国連の制裁を懸念し、イラン公式の報道機関は、この発言が最初からなかったかのように録画から取り除いている。 一つの歴史的事実について、なぜこのように発言するか。 それは、反イスラエル政策の一環として有効だと

    フェイク歴史を言ったもの勝ちになるいま、『なぜ歴史を学ぶのか』
    Outfielder
    Outfielder 2020/01/26
    「中国の歴史家は、漢民族による支配を正当化するため、他民族を劣等な存在として描く」「顕著なのは香港の教科書。中国共産党を賛美する一方、文化大革命の暴力や天安門広場での弾圧については控えめにする」
  • おかしな議論にごまかされないための『論証のルールブック』

    『論証のルールブック』は、簡潔で説得力のある文章を書くためのルールが、50にまとめられている。1つのルールに1つの例文、1つの解説という構成で、このそのものが簡潔さを目指している。 ごく基的な常識レベルのものから、見落としがちな盲点まで、まんべんなく網羅されているのがいい。いくつか紹介する。 主張には根拠が必要だ 数字は他のエビデンスと同じような検証が必要だ 長文の論証や、口頭で伝える際、サインポストを活用する 論点先取の見抜き方 「主張には根拠が必要だ」なんて、当たり前すぎて、なにを今さらと感じるかもしれない。確かにその通りだろう。だが、実際に、事実のフリをした意見や、根拠レスの主張に出会ったとき、即座に見抜けるだろうか。 たとえば、この主張なんてどうだろう。 聖書に神は存在すると書かれているから、神は存在する 聖書は神が書かれたのだから、正しい これは、結論が前提に含まれた有名な例

    おかしな議論にごまかされないための『論証のルールブック』
    Outfielder
    Outfielder 2019/10/20
    「数字を使った誘導」「数字は嘘を吐かないが、嘘吐きが数字を使う」上野先生が入学式で言ってたやつのこと?
  • 東大の科学がスゴい『科学の技法』

    東大の理系は、一年生から「科学の技法」を叩き込まれる。 『知的複眼思考法』を読んだとき、批判的に読み・考えるトレーニングを徹底させる東大の文系が羨ましいと思った。『科学の技法』を読んだいま、科学の技法をゼミナール形式で学べる東大の理系が羨ましい。 東大で始まった新しい試み「初年次ゼミナール理科」が凄い。 理系の一年生は全員必修で、1クラス20名の少人数を、教師+TA(ティーチングアシスタント)できめ細やかに指導する。学術的な体験(アカデミック体験)を通じて、サイエンティフィック・スキル(科学の技法)を修得することを目的としている。 この科学の技法が羨ましい。前半が「基礎編」で、あらゆる研究をする上で基礎的となるだけでなく、仕事にも必須なスキルが紹介されている。後半が「実践編・発展編」で、研究チームを意識できるようなゼミを「ラボ」として開講し、そこで基礎的な演習を行う(垂涎だらけなり)。 ◆

    東大の科学がスゴい『科学の技法』
    Outfielder
    Outfielder 2017/07/04
    「同性愛者に対する差別がある現代の西洋社会では支持されなかった」近年だと、政治的に正しくない研究成果に対しいかに振る舞うべきかというのが研究者倫理のトピックであるけど、東大のはそういうの触れてないの?
  • 東大・京大で『勉強の哲学』が一番売れている理由「勉強するとキモくなる」

    「勉強とは何か?」を根源的に考えた一冊。一言なら「勉強とは変身である」になる。 巷に数多のノウハウではない。意識高い系の自尊心をくすぐるではない。勉強するとはどういうことか、勉強することで何が起きるのかを、言語と欲望の問題にまで踏み込み、掘り下げる。 議論のバックグラウンドに、フーコーの権力システム、ドゥルーズ&ガタリの脱コード化、さらにウィトゲンシュタインの言語観をも引き込んでいるが、咀嚼しきった上で原理的に考え抜く、その知的格闘が面白い。 勉強すると何が起きるのかを考える際、勉強する「前」はどうなっているかに着目する。自分が話す(=考える)言葉やコードは、そのときに自分がいる環境に依存しているという。半径5mの仲間や学校、家族、手元の端末のSNS、マスコミ、社会などから、「こうするもんだ」というコードにノッて話し、考え、行動する保守的な状態だという。 それが、勉強することにより、慣

    東大・京大で『勉強の哲学』が一番売れている理由「勉強するとキモくなる」
    Outfielder
    Outfielder 2017/06/07
    「議論のバックグラウンドに、フーコーの権力システム、ドゥルーズ&ガタリの脱コード化」なんだフランスポストモダン系の人か・・・
  • 知の巨人たちが取り組んでいる問題はこれだ『いま世界の哲学者が考えていること』

    やり方が分かっているものは、哲学に向いていない。森羅万象の問題のうち、やり方どころか、そもそも「問題」とすら認識されていないところから始まるのが哲学である。もしくは、問題の背景や根領域からメタに捉え直し、やり方そのものを生み出すのが哲学である。 だから、哲学に取り組むことで、視野は拡張され、思考ツールが集まり、なによりも「問題」そのものを疑う目が養われる。 たとえば、与件を「物理学の問題」や「経済学の問題」に落とすならば、物理学や経済学の「やり方」で考えるしかない。それは一定の成果を生む一方、それぞれの「学」の前提から離れることはできない。 しかし、哲学なら、それぞれの学問領域の成果に加え、「問題」そのものを疑い、再定義することで、さらに深く・広く考えることができる。「〇〇とは何か」をその学問領域に囚われずに追求し、「〇〇からもたらされるものは、結局なんなのか」を新しい目で評価することが

    知の巨人たちが取り組んでいる問題はこれだ『いま世界の哲学者が考えていること』
    Outfielder
    Outfielder 2016/11/14
    「ナチス型の優生学と現代の優生学の違いについて・・・ナチスと結び付け、葬ることで違いを強調されても、生命の合理化という抽象度では残り続ける・・・これからも議論する余地がある」
  • 科学者の生産性を決めるもの『科学の経済学』

    初見はナンセンスだと思った。 科学に「生産性」は相容れないものだし、科学者は労働者でないから。むかし、電気が何の役に立つのかと問うた政治家に、「20年もたてば、あなたはこれに税金をかけるようになるだろう」と返した科学者の小話や、その別バージョン「生まれたての赤ん坊は、何の役に立つのでしょうね」あたりが思い浮かぶ。 ところが、そこに斬り込んだのが書になる。科学を経済学の視点から分析し、科学の持つ公共的性格と報酬の構造や、経済効率性と資金調達方式のメリット・デメリット、先取権(プライオリティ)のインセンティブとイノベーションの関係を、統計的手法を用いて明らかにする。 企業や大学の研究職に携わる人にとっては心穏やかではないかも。科学の市場化に伴い、ただでさえ専門外の資金調達に汲々としているのに、論文数や被引用数、取得した特許などで「科学の生産性」を計測しようとする働きかけは、いわば文系からの理

    科学者の生産性を決めるもの『科学の経済学』
    Outfielder
    Outfielder 2016/05/12
    「女性科学者が男性より論文が少ないことに限定して、その理由を調査する。結論は、「出版に資する個人属性、役職、研究リソースが男性に比べて乏しいから」だという」結局、政治的に正しい結論しか出てこない
  • 科学哲学の教科書『表現と介入』

    たとえば超ひも理論について、分かってるふりをすることはできる。入門書やらWikipediaをナナメに読んで、知ったかぶるのも可能だ。だが、どうしてもできない。既存の物理学で説明できない問題を解決するためにひねり出された仮説にすぎないから。入門書を一冊読んだだけで「10次元空間でのDブレーンがね……」と賢しらに語る奴には、おまえ見たのかよ! と突っ込みたくなる。 見たこともないくせに、信じられるか? この問いを発した瞬間、自己矛盾に陥っていることに気づく。なぜなら、わたしは、電子の存在を信じているから。Dブレーンも電子も、どちらも見たことがない。理解を助けるモデル図は何度も目にはするが、「これがそうだ」と指差されたものはない。にもかかわらず、電子が「ある」ことは信じられる。見たこともないくせに、なぜ? この、科学にとって「ある」とは何かを突き詰めたのが書だ。著者はイアン・ハッキング。タイト

    科学哲学の教科書『表現と介入』
  • 最近の老人はキレやすい『高齢初犯』

    最初に結論を。高齢者の犯罪が増えている。おとなしい若者の代わりに、キレやすくなっているのは老人である。「年寄り笑うないつか行く道」は一般論で、"ある世代"は例外になる。 むろん、高齢化社会だから、老人犯罪が増えるのはあたりまえ。しかし、犯罪件数ではなく、人口比から見ても上昇が著しい。平成25年版犯罪白書[4.1高齢者犯罪の動向]によると、高齢者の検挙人員の人口比は、他の年齢層と比べて上昇が著しく、平成5年の約3倍となっている。つまり、罪を犯しやすい世代が、最近の老人なのだ。 6年前、[なぜ最近の老人はキレやすいのか?]というテーマで調べてまとめたのだが、しょせん素人仕事、きちんとした数字に裏打ちされた結果が得られなかった。だが、「キレる老人」は、私の個人的な印象ではなかった。「キレる老人」を統計化したのが平成25年版の犯罪白書であり、様々なインタビューでまとめたのが『高齢初犯』になる。

    最近の老人はキレやすい『高齢初犯』
    Outfielder
    Outfielder 2014/10/17
    「人格形成期の生育環境で一生の犯罪傾向が決定される」論は、例えば在日ヘイトやってる人も前提にしてるよね。
  • 『ヒストリエ』を10倍楽しく読む方法

    過去は確定してるから、あらゆる歴史はネタバレである。だが、「なぜそうなったのか」は時代によって違う。あるいは為政者の都合で改変される。 史家も人の子、自分が生きている時代の風潮というか要請に従い、歴史を書き直す。ネタは割れているのだが、その解釈が変わる。そういう意味では、あらゆる歴史はネタ割れである。ある事実が、それぞれの時代でどのように解釈されてきたかを辿ることにより、その時代が浮き彫りになる。 岩明均『ヒストリエ』は、アレクサンドロス大王を描いた傑作漫画(彼に仕えたエウメネスを主役にしているのがミソ)。未読なら強くオススメする「四の五の言わず、黙って読め」と。ただし、連載ペースがゆっくりしているため、「続きが読みたい病」に罹ること必至。ここでは、そんな患者の方々に、『ヒストリエ』を10倍楽しむための一冊『興亡の世界史 アレクサンドロスの征服と神話』をご紹介。 神か魔物か伝説か、毀誉褒貶

    『ヒストリエ』を10倍楽しく読む方法
    Outfielder
    Outfielder 2014/06/16
    『風子のいる店』からの岩明ファンの私は実は『ヒストリエ』にはついていけてない
  • 知性の性差という地雷『なぜ理系に進む女性は少ないのか』【リンク追加】【2019.9追記】

    「女ってバカだなぁ」こう自問する瞬間がある。 もちろんこの問いそのものが間違っていることは分かっている。バカな男がいるように、バカな女がいるだけの話だし、そもそもわたしの母・嫁・娘だけで一般化することにムリがある。一番バカなのは、問うたわたし自身だ。男女のスレ違いを如実に表わしたコピペ「車のエンジンがかからないの…」の正解は、二行目で「それは大変!僕が送っていくよ」だ。オスカー・ワイルドの「女とは愛すべき存在であって、理解するためにあるものではない」を噛みしめながら、ヴィトゲンシュタインの「語り得ぬものについては沈黙しなければならない」を守るべし。 だが、あえて問うたのが書だ。 発端はハーバード大学学長ローレンス・サマーズの発言。数学と科学の最高レベルでの研究において、統計的に見ると、男性より女性が少ない適性を持つかもしれないと述べたのだ。これは「女性が科学・技術・工学・数学のキャリアに

    知性の性差という地雷『なぜ理系に進む女性は少ないのか』【リンク追加】【2019.9追記】
    Outfielder
    Outfielder 2014/01/11
    また人工知能学会にかこつけたり、だから日本の理系研究者社会は男尊女卑社会とか変なのが粘着始めたりするんでしょうか。
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