自転車と歩行者の事故がここ10年で3.7倍に急増する中、トヨタ自動車の担当部長が車道の左側を白線で区切って自転車用通路とする「自転車レーン」を5年間で約25万キロ、全国に設置するよう国や自治体に提言した。日本では自転車レーンの設置基準がないため基準の私案も示した。車の脇を走る自転車はドライバーから「邪魔者」扱いされてきただけに、大手自動車メーカー幹部の提言が注目を集めそうだ。 提言した亘理(わたり)章IT・ITS企画部担当部長(63)は03年からカーナビなどの情報技術(IT)を利用した高度な道路交通システム(インテリジェント・トランスポート・システム=ITS)による車の事故防止や渋滞解消などを目指す部門を担当。欧州を視察し、車と自転車の事故防止などのため「自転車レーンの設置が不可欠」との考えに至った。 しかし、日本では自転車関連法が未整備で自転車レーンの設置基準もないため、欧州の実情を参考