霞が関の各省庁で、重要な政策を企画・立案する官僚たち。しかし、長時間労働が常態化し、体調を崩す人や退職する若手が後を絶たない。今の国会では法案や条約のミスも起きた。官僚の士気低下は、国民生活にも影響を与える。民間で進む「働き方改革」が、なぜ省庁では進まないのか。現役の官僚から話を聞くとともに、解決策を探った。(取材・文:宮下直之/撮影:山田高央/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 午後9時を回るころ、経済産業省のファクスがカタカタと鳴って紙をはき出し始めた。送り主は、とある国会議員。 「明日の委員会の質問内容を伝えるので、議員会館に集まるように」 打ち出された用紙にはそうあるだけで、肝心の質問内容の記載はない。 霞が関の経産省から永田町の議員会館へと駆けつける職員たち。そこでようやく、質問内容が書かれた紙を受け取るが、漠然とした内容であることが多いという。 「先生すみません、も