というスティグリッツとクルーグマン(追加エントリ)の間で軽く論争になったテーマについて、スティーブ・ワルドマンが考察している。 彼はまず、格差拡大が無条件に過少消費につながることは無い、として、その点ではクルーグマンを支持している。 と同時に、富裕層は確かに貯蓄率が高い、ということを示した研究を幾つか挙げ、その点ではクルーグマンはきちんと文献を渉猟していない、と(暗に)批判している。 では、なぜ大平穏期には、格差拡大が続く一方で富裕層が貯蓄を拡大したにも関わらず、需要は強いままだったのだろうか? ワルドマンはその答えを、一般家計の借り入れ拡大に求める。そしてそれを可能ならしめたのは、実質金利の低下傾向にあった、と言う。その上で、そうした実質金利の低下傾向は、需要維持のために中央銀行によってもたらされた、とワルドマンは説明する。他の説明――例えば、技術や人口動態によって実質金利低下がもたらさ