タグ

ブックマーク / dongfang99.hatenadiary.org (11)

  • 社会保障を考える - dongfang99の日記

    「平成24年版厚生労働白書 −社会保障を考える」に対して、「教科書的」という好意的な評価がある一方で、「経済学の知見がない」という批判が散見された。あまり正当な批判ではないと思う一方で(経済学の教科書に「社会保障論の知見がない」と批判するようなものなので)、社会保障制度が経済にどう貢献するのかについて改めて考えたくなったので、以下に簡単に述べておきたい*1。ちなみに、これは厚労省白書のように「教科書的」なものでは全くなく、人によっては「いまさら」の話かもしれないが。 第1に、希少資源を奪い合う「生存競争」を抑止し、付加価値を高めるための競争を促進する。政府による基的生存の保障がなく、市場競争が純粋に「生き残るため」の競争になってしまうと、「俺たちの生活がかかっているのにそんな冒険できるか」と、ビジネスの現場で斬新なアイデアや発想は排除されて、確実に目先の利益を確保できるような旧来のやり方

    社会保障を考える - dongfang99の日記
  • お詫びと言い訳 - dongfang99の日記

    禁欲すると宣言しておくながら全然出来なかったことをお詫びします。いろいろと誤解を招く言い方が多かったようなので、ほとんど繰り返しなのですが、批判的なコメントをいただいた(ごくごく少数の)人に対して、言い訳というか私の意図をもう一度最後にまとめておきます。 まず、私が何度もくどいほど言っているのは、増税/反増税を政治的な対立軸とする限り、どちらに与しても緊縮財政路線を後押しすることにしかならない、ということです。「増税」を掲げるのはもちろんこと、「増税反対」を掲げても「まずバラマキ政策をやめて政治家と官僚が身を削るべき」という圧倒的な声に回収されてしまうわけで、野田政権と自民党の緊縮増税路線を批判したいなら、「反増税」ではなく真正面から「反緊縮」を掲げるべきと言っているわけです。その意味で、私に批判的にせよコメントを付けていただいた人が、その後も相変わらず「増税反対」ばかりを言っているのには

    お詫びと言い訳 - dongfang99の日記
    R2M
    R2M 2012/07/17
  • 当たり前の政治が欲しい - dongfang99の日記

    現在、「増税」をめぐって政界再編が起きようとしている。民主主義の政治において重要なのは適切な争点の設定であるが、まさに「増税」ほど不適切な争点はなく、日の政局の混乱および政治(という以上に民主主義への)不信、政策の停滞の元凶であると断言してよい。 ブログやツイッターなどで発言力の高い経済系の人が増税策に反対しているのは、消費税増税の景気や財政に対するネガティヴな影響の問題である。そうした問題は「科学」に属するので、学問的なスキルを身につけた専門家同士で冷静に議論してもらうしかなく、そこに政治的な判断の入り混む余地はなく、当然ながら選挙の争点にもなり得ない。 そうした専門家で議論されるべき増税の問題が、政治の争点として前面化するとどうなるか、既に日の現実が語っている。社会保障はもちろんのこと、景気や財政の話ですら重要性がなくなってしまい、「国民は我慢して増税を受け入れるべき」か、それとも

    当たり前の政治が欲しい - dongfang99の日記
  • 再び反緊縮派の立場から - dongfang99の日記

    「社会保障と税の一体改革」関連法案が衆議院を通過したが、「増税」をめぐって政局が大混乱に陥っている国は、おそらく日だけではないだろうか。ギリシアでもフランスでもアメリカでも、争点になっているのは「緊縮」の是非であって増税ではなく、むしろ世界の反緊縮派は(経済学者も含めて)富裕層増税を掲げている。日の「増税/反増税」は「緊縮/反緊縮」と緩やかにすら対応するものではなく、「増税しないと財政破綻」と「増税の前にやるべきことがある」の対立にすぎない。それぞれにおいて優勢なのは、公務員人件費を筆頭とする歳出削減を志向する緊縮派であり、反緊縮派はその中の少数派に甘んじて(というより甘んじているという自覚すらなくて)、政治的な勢力としてはまさに「存在しない」状態になっている。 野田政権のように「財政再建」の文脈を強く押し出す形の増税策は、つまりは国民に「我慢」を要求するということになり、そうなると官

    再び反緊縮派の立場から - dongfang99の日記
  • 泥臭い政治 - dongfang99の日記

    ここのところ、民主党政権の混迷に関して思うところを書いてきたが、きちんと考えてなかった重要な問題として、1990年代末以降に激増した年金生活者や非正規雇用者に対して*1、民主党をはじめとする各政党が支持獲得の仕方を間違えてきたことを指摘する必要がある。 かつて55年体制下では、大雑把に言えば、自民党が財界と農家・漁業者の利害関心を代表し、野党と左派政党が労働組合や教職員・知識層の利害関心を代表していたことはよく知られている。自民党と民主党の違いも、ある程度はこの対立構図を引き継いでいる面がある。こうした既存の政党の旧来の支持層は、基的に「まともな仕事についている」人たちだった。だから、彼らを政治的に動員するためには、農協や労組などの産業団体や職場組織などにターゲットを絞ることが標準的な手法だった。補助金行政や公共事業政策も、それによって恩恵を受ける人が多かった時代は、メディアからの批判が

    泥臭い政治 - dongfang99の日記
  • 「子どもは社会が育てる」べきか - dongfang99の日記

    最近、一部で「子どもは社会が育てる」べきかどうかということが、話題になっている*1。民主党は、子ども手当て政策に対する「バラマキ」批判に応答する際に、「子どもは社会で育てる」という理念をよく持ち出していたが、これに対して自民党は、7月に発表した「日再興」の第6分科会「教育」の中で、「「子どもは親が育てる」という日人の常識を捨て去り、「子どもは社会が育てる」という誤った考え方でマニフェストを作り、その予算化を進めている」と、育児責任は「社会」ではなく「親」にあることをはっきり明言している*2。現在の日における家庭(特に母親)の育児負担の大きさと、それに由来する少子化児童虐待に対する問題意識が少しでもあれば、「子どもは親が育てる」というのはナンセンスとしか言いようがないが、世論の「バラマキ」批判のなかで子ども手当政策が撤回されたことにより、結果的に自民党の「子どもは親が育てる」という方

    「子どもは社会が育てる」べきか - dongfang99の日記
    R2M
    R2M 2011/08/30
  • もはや「民主主義」とは言えない - dongfang99の日記

    社・FNN合同世論調査 「早期に招致を」7割 内閣支持率23% 産経新聞 12月14日(火)7時56分配信 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が11、12両日に実施した合同世論調査で、民主党の小沢一郎元代表の国会招致について「早期に実現すべきだ」としたのは70・5%と、7割を超えた。衆院政治倫理審査会で小沢氏招致が議決された場合の対応でも、「招致に応じるべきだ」としたのが85・9%に達しており、小沢氏に国会での説明を求める世論は強い。 菅直人内閣の支持率は前回調査(11月20、21日実施)から1・8ポイント微増したが、23・6%と低水準のまま。不支持率は0・2ポイント微減の59・6%で、依然として不支持が支持を大きく上回った。 政党支持率は民主党が18・6%で0・3ポイント減。自民党は1・7ポイント増の23・6%で民主党を上回り、差が広がった。 来年の通常国会前までの内閣改造

    もはや「民主主義」とは言えない - dongfang99の日記
  • 子供に持たせてはいけない刃物 - dongfang99の日記

    どうも、日銀が金融政策を気になって採用すれば、円高不況も、赤字国債の解消も、失業問題や社会保障財政もいっぺんに解決可能になるかのような物言いがしばしばある。半分くらいはその通りと思いつつ、またあえて挑発的に言っていることも理解しているつもりだが、最近こうした物言いがますますエスカレートしているのが気になる。経済の素人は、極論に懐疑的に接する良識的な人ほど、こうした議論を警戒するようになるだけだろう。 自分の乏しい経済学の理解では、金融政策ができるのは「雇用が増えやすい経済環境をつくる」ところまで、つまり畑に水や肥料をまくといったところまでで、それが実際に十分かつ健全な雇用と所得といった果実をもたらすかどうかは、慎重に分けて考えるべきだろう。何度も言っているが、金融政策で真っ先に恩恵をこうむるのは、ホリエモンのような投資と消費の意欲が旺盛な若手経済エリートであり、貧困や過労の最前線にいる人

    子供に持たせてはいけない刃物 - dongfang99の日記
    R2M
    R2M 2010/11/27
  • 不明高齢者問題の背景 - dongfang99の日記

    「でたらめ長寿国」韓国メディア報道 2010年8月5日(木)08:00 http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20100805109.html 【ソウル=水沼啓子】日で100歳以上の所在不明が相次いでいる問題について、韓国メディアは「でたらめ長寿国」などと相次いで報じている。 KBSテレビは3日夜8時の番組で所在不明のニュースを伝え、「日がでたらめな長寿国に映る衝撃的なことが起こった」と報じた。SBSテレビも3日夜8時のニュースで、「死亡者や失踪(しっそう)者まで生きていることになっている、でたらめな記録が相次いで見つかり、日の長寿大国の神話が崩れている」と伝えた。 4日付の韓国各紙も一斉にこのニュースを伝えた。中央日報は「高齢者天国 日のイメージに泥を塗る」との見出しを掲げ、所在を確認できない理由について、「高齢者数が急増し

    不明高齢者問題の背景 - dongfang99の日記
  • ちゃんと説明してほしい - dongfang99の日記

    あと、生産性を労働生産性と言い換えても全く同じでしょ。海外で住んだりした人ならわかるだろうけど、客を客とも思わない態度がデフォルトのサービス水準に散々遭遇してたりしたら、日へ帰ってきたらほっとするって人が多いだろ。これでどこが「日人労働者の生産性が低い」のかさっぱりわからないんだ。おまけに日名物サービス残業なんかを考えたら、どんだけ「効率的」かわからない。欧州人なんかと比べ物にならないだろう。生産性が低い(働かない、労働組合が強いなど)=デフレなら、欧州の方がもっと激しいデフレでなければならないんじゃないのか。 http://d.hatena.ne.jp/sunafukin99/20100221/1266736934 少しでも海外旅行経験のある人間なら、接客態度が日ほど丁寧でないことは誰もが経験していることだろう。とくにヨーロッパなどでは、休日は店が開いてないことは当たり前ときてい

    ちゃんと説明してほしい - dongfang99の日記
  • 事業仕分けデフレスパイラル - dongfang99の日記

    「事業仕分け」は来年以降も継続するらしいが*1、そこで心配するのは以下のような悪循環に陥ってしまうことである。 (1)緊急性を要する分野(介護・年金など)の財源を確保するために、緊急性のない財源(教育・学術研究など)が「無駄が多い」として削減される。 →(2)前回に削減された分野の問題が深刻化し、それを解決するために、さらに緊急性のないと思われる分野の財源を「無駄が多い」として削減していく。 →(3)このサイクルが延々と続き、結局ほぼすべての分野が深刻な財源不足になり、行政に頼らないでも生活できる、一部の富裕層以外の国民の生活は当然崩壊する。 これは事業仕分けで始まったというよりも、2000年代以降に、全体としてこういう「デフレスパイラル」が緩やかに続いてきたような気がする。 なぜだか、「無駄の削減」が(事業仕分けを批判する人を含め)自分は関係ないと思いこんでいる人が多い気がするのだが、そ

    事業仕分けデフレスパイラル - dongfang99の日記
  • 1