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ブックマーク / traindusoir.hatenablog.jp (45)

  • 濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か 正社員体制の矛盾と転機』 - 備忘録

    ジョブ型雇用社会とは何か: 正社員体制の矛盾と転機 (岩波新書 新赤版 1894) 作者:濱口 桂一郎岩波書店Amazon 2009年に刊行した『新しい労働社会』において、著者は日とは異なる欧米諸国の雇用システムを「ジョブ型」と名付け、それとの対比から、日の雇用システムを「メンバーシップ型」という観点で説き起こした。近年、日立など日の大企業が目指す賃金・雇用管理制度の見直しに関し「ジョブ型導入」との報道がなされ、その内容が日的雇用慣行に染まる文脈から抜け切れず、ジョブ型への誤った理解をもたらしかねない危うさを孕むものであったことから、著者は「覚悟を決めて」書を「世に問うことにした」とのことである*1。 書では、来のジョブ型とはどのようなものかを確認しつつ、日の雇用システムを入口から出口、賃金、労働時間制度や労使関係に至るまで、細部に渡り、「メンバーシップ型雇用」という観点か

    濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か 正社員体制の矛盾と転機』 - 備忘録
  • 真の失業率──2020年5月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 5月の結果をみると、完全失業率(季節調整値)は2.9%と前月より0.3ポイントの上昇、真の失業率も2.2%と前月より0.1ポイントの上昇となった。グラフの真の失業率は後方移動平均によるもので、足許の動きは緩慢である。このため季節調整値(後述のCSVファイルを参照)でみると、4月は3.5%、前月差は1.4ポイントと大きく、5月は概ね前月と同水準となる*1。 非自発的失業者は増加(4カ月連続)し、非正規雇用の減少も先月と同様であるが、加えて正規雇用の増加傾向は停止、特に男性の減少幅が大きくなった。また、一般職業紹介

    真の失業率──2020年5月までのデータによる更新 - 備忘録
    R2M
    R2M 2020/07/01
  • 真の失業率──2020年4月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 4月の結果をみると、完全失業率(季節調整値)は2.6%と前月より0.1ポイントの上昇、真の失業率も2.1%と前月より0.1ポイントの上昇となった。真の失業率の上昇幅は0.128ポイントと、2009年11月(0.131ポイント)以来の上昇幅である。これを季節調整値(後述のCSVファイルを参照)でみると、4月上昇幅は1.424ポイントと大きく、加法的はずれ値(AO)となっている。今月は非自発的失業者も増加(3カ月連続)したが、非正規雇用の減少*1及び非労働力人口の増加が極めて大きく、一般職業紹介状況(厚生労働省)で

    真の失業率──2020年4月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2019年3月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 3月の結果をみると、完全失業率(季節調整値)は2.5%と前月から0.2ポイント上昇したが、真の失業率は1.7%と前月から0.1ポイント低下した。引き続き、真の失業率は減少基調である。現推計時点において、真の失業率は基準年*1である1992年より改善していることとなる。 所定内給与と消費者物価の相関に関する2月までの結果は以下のようになる。物価および賃金はともに上昇基調であるが、1月のサンプル替え後、賃金は大幅減少し、断層的な状況が生じている*2。 (参考エントリー) アベノミクス以降の労働力率(2018-02-

    真の失業率──2019年3月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 賃金と物価の関係についての補足 - 備忘録

    前回のエントリーに関連し、所定内給与と消費者物価の関係について、若干コメントを追加する。 散布図の点は、このところ過去のトレンド線(緑色)から左上方向へ離れる傾向があり、賃金の伸びよりも物価の伸びの勢いが強いことを示している。実質賃金の伸びの弱さを指摘する向きがあるが、この事実はそれと整合的である。しかしながら、散布図の点が向かうのは右上方向であり、グラフは同時に「経済の好循環」が進展していることも示している。すなわち、賃金と物価がともに上昇傾向を続ける限り「経済の好循環」は持続的で、 (×)実質賃金の弱さ→いわゆる「アベノミクス」の失敗 という論理・理屈は成立しない。一方で、賃金の伸びよりも物価の伸びの勢いが強いことは、家計の負担が高まることを意味する。すなわち、 (〇)実質賃金の弱さ+消費税増税→家計に二重の負担→「経済の好循環」の抑制 という因果関係が成り立ち得ることは、十分留意すべ

    賃金と物価の関係についての補足 - 備忘録
    R2M
    R2M 2019/03/07
  • 真の失業率──2018年11月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 11月の結果をみると、完全失業率(季節調整値)は2.5%と前月から0.1ポイント上昇したが、真の失業率は1.0%と前月から0.2ポイント低下した。引き続き、真の失業率は減少基調である。現推計時点において、真の失業率は基準年*1である1992年より改善していることとなる。また推計上、前月11月の真の失業率(移動平均を行う前の月次の数値)はマイナスとなる*2。 所定内給与と消費者物価の相関に関する10月までの結果は以下のようになる。物価および賃金はともに上昇基調である。 https://www.dropbox.c

    真の失業率──2018年11月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2018年6月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 6月の結果をみると、完全失業率(季節調整値)は2.4%と前月から0.2ポイント上昇したが、真の失業率は1.9%と前月から0.1ポイント低下した。引き続き、真の失業率は減少基調である。現推計時点において、真の失業率は基準年*1である1992年より改善していることとなる。 なお、年齢階級別均衡労働力率を年1回改訂する現在の推計方法は、このところ、その上昇傾向に追いついていない。このため、中間改訂を7月結果公表時に行うことを検討する。 所定内給与と消費者物価の相関に関する5月までの結果は以下のようになる。物価および賃

    真の失業率──2018年6月までのデータによる更新 - 備忘録
  • アベノミクス以降の労働力率 - 備忘録

    当ブログで継続して推計している「真の失業率」は、政権が交代した2012年末頃から低下し始め、足許では完全失業率(季節調整値)を下回っている。このことは、就業意欲喪失効果を可能な限り除去し雇用情勢の実態に即した指標であることを意図する「真の失業率」の解釈上、現下の雇用情勢は、推計上の基準年である1992年を超える好環境だということになる。しかしながら、物価や賃金の動きをみる限り、現時点の雇用情勢が1992年を超える好環境だとは解釈し難いものがある。また「真の失業率」は、このところ毎年の改訂で比較的大きく上方改訂され、改訂後でみると、完全失業率を上回る結果となる。 「真の失業率」の推計過程では、年齢階級別の労働力率(15歳以上人口に対する労働力人口の比)から、潜在的労働力人口*1を推計する。潜在的労働力人口は年単位で推計しており、毎年1月に再推計するため、過去分の数値に改訂が生じる。ここ数年の

    アベノミクス以降の労働力率 - 備忘録
  • 真の失業率──2017年8月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 完全失業率(季節調整値)は2.8%と前月と同水準、真の失業率は2.5%と前月より0.1ポイント低下した。引き続き、真の失業率は減少基調である。現推計時点において、真の失業率は基準年*1である1992年より改善していることとなる。 所定内給与と消費者物価の相関に関する7月までの結果は以下のようになる。賃金、物価ともに概ね先月の水準と変わらない。物価は、グラフには反映していないが、8月に入り上昇率が拡大した。賃金は、今春闘結果を反映し緩やかに増加しており、加えてパート比率の低下が安定的に賃金を押し上げている*2。

    真の失業率──2017年8月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2017年3月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に 就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 完全失業率(季節調整値)は2.8%と前月と同水準、真の失業率も3.1%と前月と同水準となった。ただし、傾向としては引き続き、真の失業率は減少基調である。 所定内給与と消費者物価の相関に関する2月までの結果は以下のようになる。賃金、物価ともに概ね先月の水準と変わらない。物価の上昇傾向に賃金が追い付かず、実質賃金は当面、停滞する可能性が高い。 https://www.dropbox.com/s/fixt1abitfo58ee/nbu_ts.csv?dl=0

    真の失業率──2017年3月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2016年5月までのデータによる更新 - 備忘録

    � 完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 5月の完全失業率(季節調整値)は3.2%と前年同月と同水準となったが、真の失業率は3.4%と前月からさらに0.1%低下した。真の失業率は、引き続き、減少基調である 。 � 所定内給与と消費者物価の相関に関する4月までの結果は以下のようになる。物価と賃金は来の相関関係とは逆向きに、物価が停滞する中で賃金が上昇していたが、4月は単月的な動きとして、賃金は大きく停滞した。 �https://dl.dropboxusercontent.com/u/19538273/nbu_ts.csv

    真の失業率──2016年5月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2016年2月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 2月の完全失業率(季節調整値)は3.3%と前月よりも0.1ポイント上昇したが、真の失業率は3.7%と前月と同水準となった。真の失業率は、引き続き、減少基調である 。 所定内給与と消費者物価の相関に関する1月までの結果は以下のようになる。引き続き物価上昇率は停滞しており、これに応じて、賃金も伸び悩んでいる。 https://dl.dropboxusercontent.com/u/19538273/nbu_ts.csv

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  • 真の失業率──2015年10月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 10月の完全失業率(季節調整値)は3.1%と前月から0.3ポイント低下した。真の失業率も3.3%と前月から0.2ポイント低下した。引き続き、真の失業率は減少基調である。 所定内給与と消費者物価の相関に関する9月までの結果は以下のようになる。物価上昇率は停滞しており、これに応じて、賃金も伸び悩んでいる。 https://dl.dropboxusercontent.com/u/19538273/nbu_ts.csv

    真の失業率──2015年10月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2015年9月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 9月の完全失業率(季節調整値)は3.4%と前月と同水準、真の失業率も3.5%と前月と同水準になった。引き続き、真の失業率は減少基調である。 所定内給与と消費者物価の相関に関する8月までの結果は以下のようになり、雇用が改善する中、賃金は停滞ぎみである。 https://dl.dropboxusercontent.com/u/19538273/nbu_ts.csv

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  • ダイアン・コイル(高橋璃子訳)『GDP 〈小さくて大きな数字〉の歴史』 - 備忘録

    GDP――〈小さくて大きな数字〉の歴史 作者: ダイアン・コイル,高橋璃子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2015/08/26メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る GDP(国内総生産)とは、一国経済全体で一年間に産み出された付加価値の総額を示す指標であり、企業でいえば、一般会計基準に基づき作成される財務諸表のように、国連が定める「国民経済計算体系(System of National Account)」に準拠した国内基準に基づき作成する「国民経済計算」の中で計算されている。総じれば、市場経済における取引額から中間投入分を控除したものであるが、帰属家賃など、市場取引を伴わないサービスの生産分も含まれる。帰属家賃では、持家を賃貸借に投じたものとして自家消費した分をサービスの生産とみなし帰属計算するが、一方で、家事労働のように帰属計算しないサービスもある。このため、

    ダイアン・コイル(高橋璃子訳)『GDP 〈小さくて大きな数字〉の歴史』 - 備忘録
  • 真の失業率──2015年7月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 7月の完全失業率(季節調整値)は3.3%と前月よりも0.1ポイント低下し、真の失業率も3.6%と前月よりも0.1ポイント低下した。引き続き、真の失業率は減少基調である。 また、6月分までのコア物価と所定内給与(規模30人以上)の相関をとると、つぎのようになる。 所定内給与については、6月は再びその傾向が強まった。。 https://dl.dropboxusercontent.com/u/19538273/nbu_ts.csv

    真の失業率──2015年7月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 格差が縮小する勤労者家計 - 備忘録

    原油価格の下落等を背景に、このところ物価上昇率が縮小している。4月には消費税増税の効果も剥落し、物価は、夏に向けてマイナス転化するのではないかとの見通しもある*1。賃上げについても、経済理論的には、今年は昨年の消費増税分に目標インフレ率を加えた3〜4%程度のベースアップが必要となるところだが、実際のところほぼ不可能に近い。定昇を含めた春闘賃上げ率のベースで2〜3%というのがせいぜいであろう*2。だとすれば、ベースアップ分は1%未満であり、来年の所定内給与(パートを除く一般労働者ベース)も1%未満の上昇幅で推移すると思われる。パート比率が上昇しているため、全体の伸び幅はさらに小さくなる。 これは見方を換えれば、労使交渉における期待インフレ率は、事実上マイナスだということを意味している(消費増税分を1〜2%と見込んだ場合)。日銀の物価目標である「2%」という数値は、労使交渉における期待インフレ

    格差が縮小する勤労者家計 - 備忘録
  • 真の失業率──2014年10月までのデータによる更新 - 備忘録

    ※物価と給与の推移について追記しました。(12/04/14) 完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果 (就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 10月の完全失業率(季節調整値)は3.5%と前月よりも0.1ポイント低下した。真の失業率も3.7%と0.1ポイント低下した。完全失業率は、足許、総じて横ばいであるが、真の失業率の低下は順調であり、完全失業率との乖離幅は0.2ポイントとなった。 季節調整値でみた雇用指標の動きは一進一退であり、雇用情勢には今だ改善のモメンタムが感じられるものの、先行きの評価は困難である。ハローワークの求人の動向も、やや気がかりである。 ただし、景気の全般的な動きとし

    真の失業率──2014年10月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2014年9月までのデータによる更新 - 備忘録

    ※物価と給与の推移について追記しました。(11/05/14) 完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果 (就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 9月の完全失業率(季節調整値)は3.6%と前月よりも0.1ポイント上昇した。一方、真の失業率は3.8%と0.1ポイント低下した。真の失業率の低下は順調であり、完全失業率との乖離幅は0.2ポイントとなった。 完全失業者数は季調前月差で増加したが、非労働力人口は減少している。これまで、ブログでは雇用情勢が転換期にさしかかった可能性を指摘してきたが、いまだ、雇用情勢には改善のモメンタムが感じられる結果となっている。 一方、『家計調査』でみた実収入や消

    真の失業率──2014年9月までのデータによる更新 - 備忘録
  • 真の失業率──2014年8月までのデータによる更新 - 備忘録

    完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に 就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果 (就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 8月の完全失業率(季節調整値)は3.5%と前月よりも0.3ポイント低下した。真の失業率も3.9%と0.2ポイント低下した。真の失業率の低下は順調であり、完全失業率との乖離幅は0.4ポイントとなった。 先月のエントリーでは、完全失業者数の前年差での減少幅が縮小傾向にあったことなどから、「雇用情勢は、ここにきて、転換期を迎えているようにもみえる」と記載したが、今月は完全失業者数が大幅に減少しており、評価の難しい結果となった。 また、物価が上昇する中、実質でみた給与や消費も減少が続いている。物価の上昇は、実質賃

    真の失業率──2014年8月までのデータによる更新 - 備忘録
    R2M
    R2M 2014/10/05
    “物価の上昇は実質賃金の低下を通じて家計部門を圧迫するとはいえいわゆる「アベノミクス」のシナリオに沿った経済の好循環を持続させるため追加緩和による金融政策面からの経済への下支えが必要な状況”