旧海軍の一式陸上攻撃機、一式陸攻は「ワン・ショット・ライター」などという不名誉な二つ名もありますが、ぼくはこの機体は名機だったと思います。 というのは、当時の日本海軍は主敵を米海軍と想定し、戦艦部隊の劣勢をカバーするために、侵攻してくる米海軍の艦隊を潜水艦や攻撃機などで邀撃漸減し、最後に艦隊決戦を挑む、というものでした。 そのような戦闘においては一式陸攻は極めて有用な機体でした。航続距離が長く、速度も速かったわけです。恐らく当時のアメリカの常識ではこれほど長大な航続距離を持つ雷撃機は想定していなかったでしょう。 大海戦に際して例え陸攻隊を半分以上すり潰しても米艦隊主力を葬り去れば、こちらの勝ちなわけです。 よく一式陸攻は爆弾の搭載量が少ないという批判がありますが、また4発にすべきだったという話もあります「海鷲の航跡」にも三菱の技術者がそう進言したが、海軍が聞かなかったという話もでてきます。