今日のfinalventさんの記事に大森荘蔵の言葉が紹介されていました。 われわれはただ賭けるだけである。それが生きることだからである。 この言葉は訴えかけてきます。 ここで「科学にはなんら合理性はなく、念入りな冗談に過ぎない。合理性ではなく、それは賭に過ぎないと大森は言う。」とおっしゃっているのは、古典的な帰納に関するアポリア、「ヒュームの問題」というものを踏まえてのものだと思います。 帰納した事柄に関する真理性は論理的には導けない 大雑把にいうとこういうことで、簡明でナイーブな科学に対する信頼というものには疑問があり、科学法則が論理においても経験においても合理的に確実な基礎を持たないのではないかという議論がなされたのです。 ヒュームは純粋な経験主義が科学のじゅうぶんな基礎ではないことを証明した。しかしもしこの一原理[帰納]が認められれば、他のすべてのことを、われわれのすべての知識は経験