日本人が好むクロマグロの水揚げ量が減少の一途をたどっている。日本有数のクロマグロの漁獲量を誇る和歌山県那智勝浦町の「勝浦漁業協同組合」が5月に経営難から破綻・解散したことは、漁業関係者に大きな衝撃を与えた。同漁協は今年初めに400キロ以上の超大型クロマグロを水揚げして話題になったばかりだが、全体の漁獲量低迷は深刻化していた。背景には商品価値の高い中型クロマグロの減少が指摘される。回転寿司(ずし)でも鉄板ネタのクロマグロが回らなくなる日がきてしまうのか…。 クロマグロの大型化と漁獲量低迷の謎 「全国でも有数のマグロの漁獲量を誇る勝浦漁協がなぜ…」 勝浦漁協は約11億7千万円の債務超過に陥り、地域経済活性化支援機構(東京都)などの支援を受け、解散することが決まった。10月をめどに市場などを那智勝浦町に譲渡、県漁協協同組合連合会が事業を引き継ぐ。 名門漁協の破綻は過去に抱えた貸し付けが不良債権化