30代の女性は夫を病気で突然に亡くしてからしばらくは、夜眠れなかったり、気分が落ち込んで身の回りのことが手につかなかったりしたが、時間が経つにつれ徐々にこれまで通りの生活を取り戻していったという。2年以上が経った今では、「夫のことを思い出しても、それは悲しいことではなく、楽しい思い出になっている」と話していた。 実際には、重大な喪失にともなうつらさは、時間だけで解決できるようなものではない。むしろ時間が経つにつれ、つらさが増してくるように感じられることさえある。とはいえ、時間が経過していくなかで、気持ちはゆれ動きながら、少しずつ変化していくことも事実である。 「日にち薬と言われてすごく嫌だった」 過去に友人が夫を亡くしたときに、「日にち薬だから、頑張って」と励ましたことがあるという60代の女性は、夫を失ったみずからの体験を振り返り、次のように話す。 「自分が同じ立場になってみて、まわりの人
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