万葉集というポップス よく日本のポップスは恋の歌ばかりだと言われる。西洋では歌詞のテーマは恋が多いが政治的なものもありより多様である。この理由の一つに、日本語がポップスのリズムに乗りにくいためと言われる。メロディー、リズムを重視すれば、歌詞は恋のようにやわらかくすんなり入るものがよい。確かにそれもあるかもしれないが、そもそもポッブス以前から演歌など日本の歌詞は恋の歌が多い。 万葉集は文字がなかった日本に漢字という文字が始めて導入された頃の歌集である。そのときに歌がつくられたというより、それまで口頭での伝承されていたものを収集し、漢字を使って書きとめて編集したものだ。日本に儒教、仏教文化が伝わり始めたのが漢字の使用と同時期であるとすると、それ以前の土着の日本人の特徴を表している面が高いだろう。 その万葉集の特徴がいまの日本のポップスの歌詞の特徴に似ているのが面白い。とにかく恋の歌が多い。名無