古文書からは一揆後も国人たちがやり取りを続け、つながりが残っていたことがうかがえる=京都府庁で2024年4月2日午後3時3分、中島怜子撮影 戦国時代、自治に初めて成功したとされる「山城国一揆(やましろのくにいっき)」(1485~93年)に関する古文書が大量に見つかった。一揆の原動力となった国人(地方在住の武士)らのやり取りが克明に記された新出史料。詳しい分析はこれからだが、専門家は「将来、教科書の記述が変わる可能性もある」とみている。 見つかったのは一揆で中心的役割を担った椿井(つばい)家に伝わる書状の写し124通。馬部隆弘・中京大教授が2021年、奈良県平群町教育委員会に所蔵されていた大量の古文書を見つけた。3年かけて調査し、椿井家の関連文書と特定した。室町・戦国期の書状を江戸時代の子孫が写したものとみられ、京都市東山区の八坂神社に残る原本7通と内容が共通していることから、本物と確認した
衆参両院の全国会議員710人(欠員3)のうち、約3割にあたる205人が自身の公設秘書の兼職を認めていることが毎日新聞の調査で明らかになった。兼職をする秘書数は250人に上った。国費で給与がまかなわれる公設秘書の兼職は、国会議員秘書給与法で原則禁じられているが、議員が例外的に認めれば可能になる「抜け道」がある。専門家は「例外規定により、勤務実態の透明化を図るはずだった法の趣旨が骨抜きにされている」と指摘する。 毎日新聞は18日、日本維新の会の池下卓衆院議員(大阪10区)が地元の大阪府高槻市議を市議の任期中に採用していた問題を報道。20日現在で国会に提出されていた兼職届を衆参両院の事務局で閲覧・分析し、全国会議員の実態を調べた。
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)創始者の文鮮明(ムン・ソンミョン)氏が1989(平成元)年に韓国で行った説教で、自民党の安倍晋太郎元外相が当時会長を務めていた保守系派閥「安倍派」(清和会)を中心に国会議員との関係強化を図るよう信者に語っていた。約53年分にわたり韓国語で記された文氏の発言録615巻の中から毎日新聞が当該部分の記述を翻訳・確認し、判明した。【田中裕之、ソウル坂口裕彦、渋江千春】 韓国語版のみ全615巻の発言録 晋太郎氏の息子で、今年7月の銃撃事件で凶弾に倒れた安倍晋三元首相がいつ、どのように教団と深い関わりを持ったかについてはなお謎が多い。晋太郎氏の義父・岸信介元首相と文氏との間で築かれた関係が源流にあるとされるが、その後を継いだ晋太郎氏を足掛かりにした教団の政界工作が、教祖の肝いりで模索されていた可能性が浮かんだ。 発言録は、韓国の教団系出版社「成和出版社(現・天苑社)」
今年度の最低賃金の目安額を決める議論が始まった中央最低賃金審議会=東京都千代田区で2022年6月28日、小鍜冶孝志撮影 2022年度の最低賃金の引き上げ幅(目安)について、「中央最低賃金審議会」(厚生労働相の諮問機関)の小委員会が全国加重平均で「30円以上」の額とすることで最終調整に入ったことが31日、関係者への取材で分かった。8月1日に最終協議に入り、同日中に決着する見通し。円安などによる物価高騰を考慮した結果で、実現すれば過去最大の上げ幅になる。 最低賃金は全ての労働者に適用される時給の下限で、現在の全国平均は930円。労使の各代表と有識者委員で構成される国の審議会で目安を毎年示し、目安を参考に各都道府県の審議会で確定させる。
トルコで通貨リラの暴落による物価高騰が市民の暮らしを直撃している。世界的な物価高で各国が金利引き上げを検討する中、トルコではエルドアン大統領が「金利は諸悪の根源」と主張して異例の金利引き下げに踏み切り、リラ安に陥った。だが、エルドアン氏は政策を変える姿勢を見せていない。 油や小麦粉「1カ月で2割値上げ」 「油や小麦粉はここ1カ月で2割以上も値上がりした。仕事に使うシャンプーなどの輸入品も高くなった」。最大都市イスタンブール市内で美容院を営むエロル・チュブックさん(58)は毎日新聞の取材にそう語った。チュブックさんによると、業者は今後の値上げを見込んで一部商品を売るのを控えており、砂糖などはスーパーで「1日2キロ」の販売制限があるという。 トルコ統計局によると、トルコの消費者物価指数(CPI)の伸び率は、2019年後半には前年同月比10%前後だったが、今年11月には20%超となった。背景には
全国知事会で「五輪は無観客で」などと発言する佐竹敬久知事=秋田市山王の県庁で2021年7月11日午前11時22分、高野裕士撮影 オンラインで11日に開かれた全国知事会で、秋田県の佐竹敬久知事は開催予定の東京オリンピックを巡り、宮城県と静岡県で会場に一般の観客を入れることを念頭に、「全部(の競技会場で)、無観客にした方がいい」と発言。それに対し、宮城県の村井嘉浩知事が「準備も始めているので混乱する」などと反論する場面があった。 宮城県ではサッカー、静岡県では自転車競技を観客を入れて開催する方針。佐竹知事は、村井知事が新型コロナウイルスの感染対策として、10日にコメントした試合終了後の「直行直帰」に言及。「(観戦に)行けば必ずご飯を食べる。スパッと全競技、無観客が一番いいのではないか」とした。
河野太郎行政改革担当相は6日、新型コロナウイルスのモデルナ社製ワクチンについて、日本への6月末まで(第2四半期)の供給量が当初計画の4000万回分から1370万回分へ約6割減っていたと明らかにした。河野氏は「モデルナに対する世界的需要が非常に厳しい中で、モデルナ社と協議の上で決めた」と説明した。計…
未解明だった数学の超難問「ABC予想」を証明したとする望月新一・京都大数理解析研究所教授(51)の論文が、同所が編集する数学専門誌に掲載されることが決まった。3日、京大が発表した。ABC予想は、素因数分解と足し算・かけ算との関係性を示す命題のこと。4編計646ページからなる論文は、斬新さと難解さから査読(論文の内容チェック)に8年かかったが、その正しさが認められることになった。有名な数学の難問「フェルマーの最終定理」(1995年解決)や「ポアンカレ予想」(2006年解決)の証明などと並ぶ快挙となる。【阿部周一、松本光樹】 望月教授は2012年8月、構想から10年以上かけた「宇宙際タイヒミューラー(IUT)理論」の論文4編を、インターネット上で公開した。これを用いればABC予想など複数の難問が証明できると主張し、大きな注目を集めたが、既存の数学が存立する枠組み(宇宙)を複数考えるという構想は
毎日新聞ニュースサイトに2020年3月28日掲載の「感染者の確認ない鳥取・島根 外出自粛の都市部から観光客も 新型コロナ」は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請がある中で、地方への旅行を勧めるように取られかねない記事内容と見出しでした。おわびして当該記事を削除します。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で減便や運休が相次ぐなどして、閑散とした羽田空港の国際線出発ロビー=羽田空港第3ターミナルで2020年3月15日、小川昌宏撮影 赤羽一嘉国土交通相は24日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルスの影響によって宿泊業の3、4月の予約が施設によっては最大90%減少する見込みだと明らかにした。所管する宿泊や観光、運輸業界で業績悪化が進む現状について「深刻な状況が続いている」と述べたうえで、資金繰りや雇用維持のための支援など各業界から寄せられている要望に対応する考えを示した。 国交省は3月上旬から17日にかけて、各業界や事業者へのアンケートや聞き取りで影響を調査。宿泊業はホテルや旅館計97施設が回答し、3、4月の予約状況はそれぞれ前年同月比で30~90%減少すると回答した。2月は10~50%の減少で、状況は悪化している。
参院予算委員会で新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けている経済への対応について答弁する安倍晋三首相=国会内で2020年3月16日午前9時47分、川田雅浩撮影 政府・与党は17日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて4月にも策定する緊急経済対策として、国民1人ずつに現金を配る「現金給付」を盛り込む調整に入った。リーマン・ショックを受けた景気刺激策として、2009年に1人当たり1万2000円の「定額給付金」を配布したケースがあるが、今回は低迷する消費の底上げに向け、それを上回る金額の給付を検討する。 安倍晋三首相は17日、首相官邸で自民党の岸田文雄政調会長と会談し、経済対策について協議した。岸田氏は会談後、記者団に「首相の意向をうかがい、大筋の方向性では一致した」と説明。首相は16日に経済対策の取りまとめを岸田氏に指示しており、党主導で現金給付を実現したい考えだ。 麻生内閣時の09年に配布し
「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業を巡り、政府は取引の透明性や公正性を高めるルールの具体的な検討に入った。立場の強い巨大ITから一方的な契約を押しつけられるなどの不満の声が取引先の中小企業から上がっていることに対応。禁止行為を細かく規定し、違反すれば迅速に勧告や命令を出す「デジタル下請け法」を整備する案などが浮上している。 経済産業省、公正取引委員会、総務省は今月から非公開の作業部会で議論を開始した。関係者によると、巨大ITを巡っては、現行の独占禁止法では(1)規約の当日変更や価格改定の事後通知などを想定しておらず、取り締まりが難しい(2)調査で関係者の意見を聞いて個別に違反を認定して処分するまで時間がかかり、中小企業には死活問題(3)課徴金の水準が低く、実際に課した例もないため不公正な取引の「やり得」になる――な…
政府は国内に拠点を置くインターネット接続業者(プロバイダー)に対し、ネット上で漫画や雑誌を無料で読めるようにしている海賊版サイトへの接続を遮断する措置(サイトブロッキング)を実施するよう要請する調整に入った。月内にも犯罪対策閣僚会議を開催し、正式決定する見通し。 三つの海賊版サイトの具体名を挙げ、接続業者に要請する予定。うち2サイトは中国など他国で行政指導や捜査当局の摘発を受けたにもかかわらず、日本国内からアクセスすると閲覧できる状況が続いている。 ただ、接続遮断要請に明快な法的根拠はない。通信の秘密や検閲禁止を定めた憲法21条に抵触するとの指摘を受ける懸念もある。政府は、無料閲覧によって生じている出版社や著作権者の被害を踏まえ、要請を刑法上の「一時的な緊急避難措置」と位置付け、接続業者の理解を求める方針だ。国内の接続業者は既に、児童ポルノ画像を掲載するサイトの接続遮断を実施しており、政府
政府・与党は、三つに分かれているビール類の酒税について、2020年度から3段階で見直し、26年10月に一本化する方向で調整に入った。ビールは減税となる一方、発泡酒や第3のビールは増税となる。12月にまとめる17年度税制改正大綱に具体的な税額などを盛り込み、必要な法改正などに着手する方針だ。 350ミリリットル缶当たりの税額は現在、ビール77円▽発泡酒47円▽第3のビール28円。消費動向やメーカ…
経済的に困窮している司法修習生が国から借りた生活資金の返還を猶予される裁判所法改正案が27日、参院本会議で賛成多数で可決、成立した。 裁判官、検察官、弁護士になるための研修を1年間受ける司法修習の生活資金については、昨年11月、全修習生が国から月額約20万円の給与を受ける「給費制」から、希望者が月額18万〜28万円の貸し付けを受けられる「貸与制」に移行した。 貸与を受けた司法修習生は5年間の返済猶予期間後、10年間で返済を完了する必要があるが、今回の改正で、困窮者は猶予期間をさらに最長5年延長できるようになる。 付帯決議では、法曹養成制度全体の見直しについて、新たな検討機関で1年間議論するという内容が盛り込まれた。アルバイトが禁じられた司法修習生への支援の在り方が、改めて議論される可能性もある。 若手弁護士らのグループ「ビギナーズ・ネット」は「貸与制で修習生が借金の不安にさいなまれている。
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