過去2回のコラムで、音楽業界、放送業界の話を書いてきた。今回は出版の話である。筆者は2年ほど前に、電子出版に興味を持ってコラムを書いたことがあるのだが、今改めて読み返してみると、未だに当てはまる部分も多いが、事態が進行した部分もいくつかある。今回は改めて、電子書籍の今と未来について考えてみたい。 デジタル化されたテキストコンテンツには、利便性の面と権利処理の面から、さまざまなフォーマットが存在する。しかし特殊なフォーマットであっても、PCならば専用のリーダーなりをインストールすることで、問題なく読める。そういう意味ではPCの利便性は認めるところだが、「文学を読むのにいちいちPCかよ」という点で物理的な利便性は損なわれる。 一方でプレーンテキストに目を移すと、最近はテキストを取り巻く環境も、微妙に変わってきている。 以前はポータブルなテキストビューワーとしてPDAという存在があったのだが、ご