組み込みエンジニアの方や、最新の電子機器に興味を持つ方の中には、「ARMプロセッサ」という言葉を聞いたことのある方も多いことだろう。ARMプロセッサは、英ARMが開発したプロセッサコア(ARMコア)を採用したCPU(プロセッサ)のことである。そしてこのARMプロセッサは、さまざまな半導体ベンダから提供されている。 ARMプロセッサは、携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム機などの低消費電力が要求される組み込み機器を中心に採用されている。ARMコア(以下、ARM)は、低消費電力化のための機構や、電圧と周波数を効率よく制御するためのソフトウェアが用意されており、消費電力の少ない組み込み機器を開発するためには、これらを上手に使うことがポイントになる。 本稿では、ARMの低消費電力化ソリューションについて解説する。 組み込み機器に強く要求される低消費電力化 組み込み機器の開発においては、低消費電力化を図