第1回ではEV充電難民の現状、第2回ではデザイン視点からの海外との充電環境比較を紹介した。いずれも充電器の数や機能だけではなく、ユーザー視点での普及を提議するものであるが、これには筆者の経歴が大いに関係する。 前述の通り筆者の家業は創業88年の自動車部品製造業だが、事業継承前となる大学卒業後の2002年から2010年の8年間は、広告会社でマーケティングや新規事業の立ち上げに携わっていた。いずれ家業を継ぐ前に見聞を広めるため入った無形価値創造の世界だが、消費者の傾向やニーズの市場調査、最適なターゲットへの広告キャンペーン、効果検証などにより新しいサービスを広めていく体験は、現在のEV充電ソリューション事業に大きな影響を及ぼしたといえる。 筆者自身がEVユーザーであることに起因する実感かもしれないが、EVシフトに関しては自動車という最も私たちの生活に身近なプロダクトにも関わらず、脱炭素施策や、