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2018年8月8日のブックマーク (1件)

  • 私の学び 周防大島文化交流センター学芸員・高木泰伸さん

    特攻隊員だった祖父は69年前の夏、知覧(鹿児島県南九州市)から出撃予定の日に、終戦を迎えた。「出撃の前日、草の上に寝転がっているとギメ(バッタ)がいた。自分は明日死ぬ。小さい虫でも『生きとるけん』と思い、そっと離してやった」との話が忘れられない。 高校を卒業するまで熊県山鹿市の実家で一緒に暮らした祖父は、戦争中の話をよくしてくれた。命の大切さ、戦争の愚かさを教えてくれた。そこから昭和史に興味を抱くようになった。 2000年4月、広島大に進んだ。夏休みや春休みには、アルバイトで竹原市立竹原書院図書館に一日中こもって文書の整理に当たった。大学院時代は、広島大文書館で原爆・平和報道に携わった中国新聞社元論説主幹の故金井利博さんの取材ノートや写真、図書などを整理し、目録にまとめた。小池聖一館長から「文書の声を聞く」ということを教わった。「声を拾わないと文書に怒られる」という感覚が刻み込まれた。