本コラムでは、人材マネジメント・労働雇用政策を研究テーマとするシンクタンク、リクルートワークス研究所所長の大久保幸夫氏に、転換期を迎え、企業において今後の施策が緊急視されている人材マネジメントに関し、さまざまな角度から語ってもらう。 ミドルは「なぜ」成長実感が持てないのか ミドルの成長が今後の日本企業の生き残りにとって必須の条件であることは、これまでの連載で述べました。ミドルは人生の過渡期ともいうべき大きな変化を経験するときですが、この転機をうまくマネジメントできなければ、停滞感を味わうことになってしまいます。 気になるデータがあります。図はミドルのモチベーションについて分析を行なったものです。ジュニアやシニアといった前後の世代と比較して、全体的にミドルのモチベーションが低く、しかも自己アイデンティティ領域のコアモチベーションである「仕事での成長実感」において、はっきりと低いという結果が出