前回のエントリーに引き続き、オタク文化について考える。 この問題を考える上で、まず俎上に上げなくてはならないのが、「村上隆」という存在だ。 村上隆については、ルイ・ヴィトンのモノグラムをデザインしたりしているのを見ると、ずいぶん商売上手なアーティストだなという印象を持っていたぐらいで、もともと関心が薄かった。 けれども、昨年、村上が書いた「芸術起業論」という本を読んで、日本のアーティストには珍しく、世界市場で勝負するという覚悟と戦略性を持った人物だということが良くわかった。この本は、芸術論としてよりも、むしろビジネス書として読んだ方が面白く、得るところが多いだろう。 先のエントリー記事でも紹介したように、現在、村上は、ロスアンゼルス現代美術館(MOCA)で「大回顧展」と銘打った展覧会「© MURAKAMI」を開催している。 大回顧展としたのは、これまでの村上の仕事を総括する意味合いとその仕