「産業財の選定では、企業ブランドが決定的な役割を果たす」と言えば、消費財の言い間違いと思われる方もいるだろう。しかし、産業財は組織のルールに則って選定されることが多いため、無難な選択が好まれがちだ。リスクを回避する手がかりとして、企業ブランドが効くのである。 これらはIT商材を対象にした日経BPコンサルティングの調査で浮き彫りにされた。とりわけ、技術力とサポートのイメージで構築される企業ブランドが、力強い役割を果たす。 ブランドやブランディングは、企業経営やマーケティングにおいて、ますます重要になっている――。この指摘は、暗黙のうちに消費財を念頭に置いていることが多い。マーケティングやブランディングの業務や研究に携わる人々の大多数は、消費財をテーマとしているからだ。 一方、産業財は、マーケティング活動ではなく、法人営業部門による人的接触活動で販売するものだとの認識が、伝統的に根強い。産業財