はじめに 福島の原発事故のせいで、放射能が広く飛び散った。この放射能対策として、EM菌やホメオパシーといった効果のない方法がいくつも提案された。個別の議論は、既に、片瀬さんが「怪しい放射能対策」という記事にまとめている。 ところが、この記事を始めとする類似の議論が「ニセ科学批判」として括られ、「なぜニセ科学の問題として原発を取り上げてこなかったのか」という疑問がツイッターなどに書かれている。さらに、「ニセ科学の問題よりも原発の問題の方が大きい」といった、何の意味があるのかよくわからない言説まで出て来た。 原発の問題をニセ科学の問題として、私がほとんど取り上げて来なかったことは事実である。なぜそうなったのかということも少しわかってきたので、とりあえず今の考えをまとめておく。 原発の問題はニセ科学か ニセ科学の定義は「科学を装う」「科学でない」である(「ニセ科学とは何か」)。これに当てはまるも