「墓が汚れている。浄化しなければ、祖先のたたりで孫や息子が結婚できない」 兵庫県警が5月、特定商取引法違反容疑で逮捕した男は「特許庁が認定した納骨士」という虚偽資格者を名乗り、こんなセリフで高齢者の不安をあおって水晶玉を売りつける“霊感商法”で、兵庫、京都、岡山、鳥取の4府県で2億円近くを荒稼ぎしていた。子や孫を思う高齢者らの気持ちにつけ込んだ悪質な犯罪の手口とは、どのようなものだったのか。(桑村朋)「孫、息子によい結婚相手が…」 県警生活経済課が逮捕した男とは、同県高砂市中島の自称訪問販売業、藤原祥一郎容疑者(60)。調べに対し「私は間違いなく特許庁から認められた納骨士の資格を有しています」などと供述し、容疑を否認しているという。 逮捕容疑は平成25年3月~26年3月ごろ、同県姫路市の当時57歳の男性と岡山県津山市の当時69歳の女性の自宅を訪問。「特許庁に認定された納骨士」と偽り、「これ