「これは現実じゃない」。頭ではそうわかっていても、頬を撫でる風や水しぶきに思わず声が出て体がこわばる。それが、ブランコに乗って空中を疾走するVR(Virtual Reality / 仮想現実)アトラクション「アーバンコースター」を体験した感想だ。このアトラクションのアレンジバージョンは現在、池袋の高層ビル「サンシャイン60」の展望台にも設置されている。 このVRアトラクションを制作するのが、株式会社ハシラスの代表であり、プロデューサーを兼ねる安藤晃弘氏だ。もともとは、江戸伝統の奇術である手妻を披露する「手妻師」だったという異色の経歴を持つ彼。「人を楽しませることが好き」という安藤氏が手掛けるVRアトラクションとは、どのような世界なのか。VRのいまと可能性について話を伺った。 取材・文:HIP編集部 写真:大畑陽子 すべてのクリエーターが安価で新しい表現方法を手に入れることができる。「これは