最初に断っておかなければならないのは,この企画が「大いに自戒を込めた」ものであるということだ。この企画タイトルをみた私の共同研究者達が,苦々しい顔でこれを読まれていることは想像に難くないが,それでも私の考え方が180度とまではいかないまでも132度ぐらいは変わった本である以上,紹介しないわけにもいかない。 それは,SNSで話題になっていたことで知った『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか』という本である。これは実は訳書で,アメリカの社会心理学者であるPaul J. Silviaが書いたものである。もとのタイトルは『How to Write a Lot』である。タイトルからして直球である。 この本は,実は私が広島大学にいた頃には知っていたはず(実は次の記事の著者である,当時広大の院生だった川本氏に教えてもらった)だが,その時は「そういう本があるのかー」ぐらいで流していた