【アテネ=松浦一樹】欧州単一通貨ユーロ圏16か国の首脳会議は7日、ギリシャに対する1100億ユーロ(約13兆円)の協調融資を承認したが、政官の癒着、富裕層の税逃れ、ヤミ市場がはびこるギリシャで、財政立て直しは容易でない。 「この国で、高級車や豪華クルーザーを乗り回す富裕層による所得の過少申告は当たり前」とアテネの自動車部品販売業者(63)は話す。高給取りの医師が税務署にワイロを渡し、所得を免税範囲の「1万ユーロ(約116万円)以下」と申告していた例を身近で知っているという。 アテネ郊外の高級住宅地で、プールがあると申告した世帯は3百数十軒に過ぎなかったが、税務署が上空から調べたところ、プール付きの家は1万7000軒に上った実態も報じられている。 こうして脱税される総額は年間230億ユーロ(約2兆7000億円)に達するとされ、財政悪化の一大要因とされている。 財政悪化は、寡頭支配の産物でもあ