モンサントの遺伝子組み換え作物の種子に関する特許について重要な判決が米連邦最高裁により下されました(参照記事)。 裁判官らは全員一致で「特許権が設定されている種子を、農家が栽培や収穫を通じて、特許権所有者の許可なく再生産すること」は特許法で認められていないとの判断を下した。 ということだそうです。 モンサントのビジネスの倫理性(さらに、言えば遺伝子組み換え作物自体の倫理性)については、いろいろと議論すべき点があると思いますが、ここでは特許に関するテクニカルな部分についてのみ論じます。 特許制度には特許権の消尽(first sale doctrine)という考え方があります。特許権で保護される商品が一度適正に販売(譲渡)されると特許権はその役目を終えて消えてなくなるという考え方です。消えてなくならないとすると、たとえば、中古車を売るたびに、トヨタ、デンソーその他、数多くのメーカーの特許ライセ