東京―名古屋を結ぶJR東海のリニア中央新幹線計画で、飯田下伊那地域に設ける県内駅は、飯田線の元善光寺駅以西、飯田市座光寺―上郷エリアに設置する方向で調整が進められていることが、本紙の調べで分かった。天竜川に面する段丘最低地部ではなく、飯田線や国道153号線が整備されている住宅・商業エリアに設置される可能性が浮上。飯田線との結節や座光寺の恒川遺跡群の回避の行方が注目される。 複数の関係者からの話で明らかになった。 飯伊に設置する中間駅についてJR東海は、環境影響評価方法書で「天竜川右岸平地部に設置する」とし、元善光寺駅―高森町下市田駅を中心とする直径5キロをエリア指定している。 関係者らによると、調整は元善光寺以西のエリアを中心に進められており、適地が固まりつつあるという。 元善光寺駅以西は、幹線道の国道153号線や飯田線が整備されていて、商業店舗や住宅が集積。上伊那地域を含む広範囲からのア
高森町下市田の公共下水道終末処理場周辺の地権者でつくる「黒沢下の会」(佐藤光吉会長)は3日、リニア中央新幹線をテーマにした学習会を地区会館で開いた。同処理場周辺は、リニア整備計画で県内中間駅位置(直径5キロ)案に入る。講師を迎え、開業に伴う変化などを聞いた。 信州不動産鑑定(飯田市高羽町)の寺沢秀文代表が「リニア中央新幹線と地域づくり」と題し講演した。 リニア構想やルートが決まるまでの経緯を紹介。不動産取り引きへの影響も示した。「地価は地域力のバロメーター」ともいい、東北新幹線や長野新幹線の駅を例に、高速交通網や地価の推移、地域力の関係について写真や地価変動率を交えて説明した。 飯田下伊那の地価推移の現状にも触れ「リニア関連では目立った動きはないが、駅の位置が発表されると動きが見られるかもしれない」とみた。 リニア開業を見据え、ストロー現象など予想されるマイナス面を指摘し「リニアが来れば地
フランチャイズ契約を結んでいるJAみなみ信州(矢澤輝海組合長)とコンビニエンスストアチェーンのファミリーマート(上田準二社長)は21日、買い物弱者を対象にした軽自動車「ミニファミ号」による移動販売を始めた。三穂、上久堅、下久堅、千代、龍江、川路の6地区で営業し、個別訪問の要望にも応じる。 JAが同地区などの組合員を対象に行った経済事業に関するアンケートでは、期待するサービスの1位に「移動購買車による買い物」が挙げられ、サービスが行われた場合は38%が「利用したい」と回答。「店舗がない中山間地の居住者にも商品を届け、ファミマ号をコミュニティーの場にしてほしい」とするファミマ側の意向とニーズが一致し、サービス開始を決めた。 ファミマが用意した冷蔵・冷凍設備を備える軽トラックを利用し、フランチャイズのJAが運営。弁当やおにぎりなどの食料品や調味料、日用品、農協が扱う野菜、果物などを載せ、移動式で
リニア中央新幹線の環境影響評価をめぐるJR東海とリニア中央新幹線建設促進長野県協議会の説明会が12日午後、飯田市育良町のシルクプラザで開かれた。期成同盟会の会員や住民ら600人余が出席。同社は沿線住民が懸念している環境への負荷や消費電力量、磁界の影響、アセスメントの実施内容を解説している。(午後2時半現在開催中)。 リニア特有の技術や環境保全などについて、沿線住民の理解を得ることを目的に県協議会とJR東海が開催。沿線全体では山梨、岐阜県に続く3回目。 冒頭あいさつで、宇野護中央新幹線推進本部長は「東日本大震災以降、中央新幹線を実現することにより大動脈輸送を早期に2重系化しなければいけないという考えを強くしている」と強調。「環境アセスメントの内容、進捗について多くの住民から意見をいただいている」とし、「もっとも関心が高い詳細なルートや駅の位置は準備書を待っていただくことになるが、公告後はきめ
JR東海は14日、中央新幹線でも本線となる山梨リニア実験線の延伸工事現場を報道陣に公開した。18・4キロの先行区間の東西を計24・4キロ伸ばし、13年度末までに笛吹市―上野原間を結ぶ42・8キロとする計画。すでに全てのトンネルを貫通させるなど予定どおり進ちょくしていて、来年度末までに実験を再開する。 1年半ぶりに報道陣に公開されたのは、東側の延伸区間で、秋山トンネル(3805メートル)と第一大ノ入トンネル(150メートル)、2つのトンネルを結ぶ橋梁部。トンネル内は内壁工事もほぼ終わり、U字形のコンクリート軌道「ガイドウェイ」の路盤整備が進められている。 路盤からは1メートル間隔でリニアを浮上走行させる電磁コイルに接続するための菅が伸び、タイヤ走行する際の溝をつくるための鉄筋構造も確認された。 明かり区間には、かまぼこ形の「騒音防止フード」を設置した。厚さ20センチほどのコンクリート構造で、
飯田市馬場町に残る「旧飯田測候所庁舎」が20日、国有形文化財に登録された。国文化審議会(宮田亮平会長)が同日開いた同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、同庁舎を新たに文化財登録原簿に登録するよう文部科学大臣に答申し、決定した。 同庁舎は1922(大正11)年に竣工し、翌年から2002年まで観測が行われた。47(昭和22)年に発生した飯田大火の被害を免れた建物。県内には飯田のほか諏訪、松本、軽井沢に測候所があったが、いずれも無人化されている。 正面間口10間半(約19メートル)、奥行き6間余(約11メートル)の規模の木造平屋建て、寄棟造、桟瓦葺。棟の中央部に小塔屋をのせ、正面中央の洋風意匠の玄関には切妻破風がある。上下窓の間は下見板張、腰壁と小壁をモルタル塗とし、軒はブラケットで飾る。玄関車寄の屋根は起り付きで、軒勾配を緩めて唐破風形を模す。 時代を反映した瀟洒(しょうしゃ)な洋風建築で、
飯田市は29日、臨時記者会見を行い、2009年度から実施している東和町周辺の交差点改良工事について、地域の望んでいた5枝交差点を維持するため、信号機を撤去しラウンドアバウト型交差点を導入すると発表した。近くの吾妻町ロータリー交差点(ラウンドアバウト)で10、11年度の2年間実施した社会実験で技術的知見が得られ、災害などによる停電時の対策として、関係機関の理解も得られたことから、12年度中の完成を目指す。 記者会見で牧野光朗市長は「信号機を撤去してラウンドアバウトに変えることができるのは画期的。これがモデルとなって全国にラウンドアバウトが広がっていくことを期待している」、市と協働で社会実験を行った国際交通安全学会のプロジェクトリーダーを務める名古屋大学大学院工学研究科の中村英樹教授は「日本で交差点から信号機を撤去してラウンドアバウト化する最初の先進的事例。最新の技術的知見を生かした設計に関わ
リニア中央新幹線計画で、県の新総合交通ビジョン・リニア中央新幹線関連交通特別委員会(委員長・黒川洸計量計画研究所代表理事)は9日、初会合を開き、飯田下伊那地域を訪れて概略ルート一帯を現地調査した。喬木村では高台から中間駅の設置エリアを見学し、JR東海の説明を聞いた。午後3時から飯田市内で意見交換会を開いた。 特別委に所属していない委員も含め、5人が来飯。オブザーバーの北陸信越運輸局、中部地方整備局や県職員ら20人も同行し、喬木村のアルプスの丘公園、高森町の下市田駅、飯田市の元善光寺駅や中央自動車道座光寺パーキングエリア周辺を視察した。 中間駅設置エリアの下市田、座光寺エリアを眺望できるアルプスの丘公園では、随行したJR東海の社員から、3キロ幅の概略ルートや5キロ円の中間駅設置エリアの解説を受け、地図と照合させながら確認。「中央自動車道はトンネルでくぐるのか」「駅の長さはどのぐらいになるのか
リニア中央新幹線計画のJR東海の環境影響評価(環境アセス)方法書について、県環境部は13日、飯田下伊那の7市町村を含む県内ルート沿線自治体とのヒアリング会議を飯田市追手町の県飯田合同庁舎で開いた。自治体担当者からは、水資源の保全や磁界の影響など、自然・生活環境への配慮を求める意見が相次いだほか、事業を通じての積極的な情報開示や地元との十分な協議を望む意見が目立った。県に対しても連絡、調整窓口としての機能の発揮を望む声が上がった。 2月末までにJR東海に提出する知事意見に地元市町村の要望を的確に反映させようと企画。JR東海が示した県内ルート(3キロ幅))沿線に該当する飯田、松川、高森、大鹿、豊丘、喬木、阿智の7市町村と南木曽町の担当者らが意見を述べた。8市町村は同日までに、県側の照会に応じた地元意見を文書でも提出した。 水資源の保全に関する意見のうち、喬木村と豊丘村は、ルートの想定区域内にあ
JAみなみ信州は13日、飯田下伊那地域特産の市田柿の製造過程の一部を省力化するために開発を進めている気熱式減圧乾燥機の説明会を開いた。庫内を減圧して低温で乾燥し、柿の内部から水分を引き出して天日干しの工程を合理化する。高齢化や担い手不足により懸念されている産地力の低下を打破する救世主として期待を寄せている。 国の地域イノベーション創出研究開発事業の支援を受け、信州大学工学部と県農村工業研究所、県農協地域開発機構が開発。「この分野では日本で最大級のサイズ」(同JA)となる第1号機を豊丘村の旧みさと果実選果場に設置し、10月末から3回にわたる実証試験を重ねていた。 皮剥き処理を施した8・4トンを乾燥させたところ、柿すだれにして天日に干す自然乾燥の場合は30日を要する乾燥期間が、5―8日に大幅短縮できる実用的な結果を得た。 その後に粉出しなどの最終処理を行い、既成品と比較。「味、見た目とも同等」
喬木村伊久間の中日ドラゴンズ「勝利のりんごの樹」で29日、リンゴの収穫が行われた。収穫したリンゴは選手会を通じて当選したファン46人に発送される。 選手会がリンゴの樹のオーナーとなり、ホームゲームで優勝するたびにファン1人に対し、南信州産のリンゴ1箱をプレゼントする企画。JAみなみ信州などによる「南信州ファームプロダクツマーケット」により運営され、昨年に引き続き2年目。 ことしはホームゲーム75試合中45勝。クライマックスシリーズアドバンテージ枠を含む計46人が対象となり、4067人の応募の中から抽選された。 収穫作業には同球団マスコットのドアラや喬木村のマスコット、ベリー&ゴー、JA南信州関係者なども参加。ドアラはドラゴンズロゴ入りのサンふじを収穫。関係者らと記念撮影してリーグ優勝を祝った。 リンゴを手入れしてきた男性(75)は「台風の風による被害で2割ほどのリンゴが落ちてしまったが、残
リニア中央新幹線計画の環境影響評価(アセスメント)の手法を記した方法書をめぐるJR東海の説明会が11日、木曽郡南木曽町を皮切りに始まった。町民ら31人が出席し、映像を交えた説明を受け、工事に関する疑問などをぶつけた。24日の飯田市まで飯田下伊那地域の4会場を含む県内6会場で開く。 初回は同町の蘭(あららぎ)分館で開き、同社からは内田吉彦環境保全統括部長、奥田純三環境保全事務所・長野所長ら4人が説明者として出席した。 最初にJR東海が要点をまとめたビデオを上映し、図表を示しながら路線や県内の事業実施区域の概要、環境影響評価の手法などを解説した。 大気や水、土壌環境、動植物の生態系などへの影響を評価するための調査については手法や予測方法についても考え方を伝えた。 また、奥田所長が補足説明を行い、水源域の回避について「取水の方法や使用状況などを把握し、影響度合いを調べた上でルートの絞込みを行う」
リニア中央新幹線の県内ルートと中間駅位置案を盛り込んだ計画段階環境配慮書をめぐり、JR東海に意見書を提出した建設促進飯伊地区期成同盟会の牧野光朗会長(飯田市長、南信州広域連合長)は14日、前日行ったJR東海との2回目の協議を踏まえ「JRの提案を真摯に受け止める」と述べ、提案を受け入れる考えを表明した。JRから提案のあった確認事項は、①水源域については、最終的に水源域を外す②飯田線の存続はしっかりやっていく③リニア飯田駅については飯田線に近接させる④現飯田駅併設は困難だが、既存市街地との連携については、計画段階から考えていく。できるだけ近づける⑤環境に配慮し、地域の意見を十分聞き話し合っていく⑥駅の負担については各駅共通のことであるが、これからしっかり考えていく―という内容。 14日午後に相次いで開いた市議会リニア推進対策特別委員会、市議会全員協議会、広域連合会議、広域連合議会全員協議会、飯
リニア中央新幹線の環境影響評価で、26日に飯田下伊那地域の5町村を訪問して方法書公告への協力を求めたJR東海が、公告後に飯伊の4―5会場で説明会を開く意向を伝えていたことがわかった。環境影響評価法を踏まえ、飯伊を東西4―5ブロックに分けて開く計画を示したという。 中央新幹線推進本部環境保全統括部の澤田尚夫長野県担当部長ら4人が、事業実施想定区域に含まれる県内8市町村のうち、松川町、喬木村、阿智村、高森町、大鹿村の5町村を訪問した。 午後に訪れた高森町役場では、熊谷元尋町長らと面談。方法書公告の際の縦覧場所の提供などを求めた。 町長によると、説明会は公告後1カ月間の縦覧期間中に開くとし、飯伊を東西4―5つの区域に分けて、大鹿、豊丘、高森、飯田などのエリア別に説明会を開く意向を伝えたという。 町長は「住民の関心が高く、問い合わせも正確な情報がなく、答えられなかった。町づくりも、エリアや枠ではな
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