アメリカにおける日本経済研究の第一人者であり、コロンビア大学・日本経済経営研究所の所長を務めるヒュー・パトリックと、日本経済論と金融論でわが国を代表する経済学者として知られる伊藤隆敏。 二人が着目したのは、時代の変化に対応することを恐れ、「抜け道」を探す日本の姿だ。その先に何が待ち受けているか。二人に日本のとるべき道を聞いた。 パトリック:2016年世界に影響を及ぼした大きな出来事にブレグジットとアメリカ大統領選があります。ブレグジットは大方の予想に反して「離脱派」が勝利して世界に驚きを与えましたし、トランプの躍進も同様です。 この二つの現象には共通のルーツが存在します。それは、怒りです。普通の人たちが怒っている。ヒラリー・クリントンと民主党の指名争いを繰り広げたバーニー・サンダースの支持者にも通じています。これらは、エスタブリッシュメントへの怒りと「変化への渇望」が露わになった出来事です