前編では、『ゲンロン12』の読みどころから、ゲンロン入社までの経緯を語ってもらった。後編ではゲンロンの解散危機直面から代表取締役就任を経て、自社放送プラットフォーム、「シラス」開設と今後の展望について聞いた。(聞き手・構成/鴇田義晴) ――ここからはゲンロン入社後のお話を伺えればと思います。雑誌や書籍編集のお仕事は入社後に初めて行った感じでしょうか。 演劇博物館で助手をしていた時に展示の図録を作ったくらいなので、ほとんど未経験に近いと思います。もともとゲンロンには編集者になろうと思って入ったわけではなく、東さんの仕事を何か手伝えたらというくらいでした。研究者として論文を書いたり、読んだりといった作業は行っており、書くことは好きなので軽い気持ちだった。ただ、実際にやってみるとわからないことだらけでした。専門用語もわからないし、紙の選び方や、デザイナーさんとの打ち合わせの仕方もわからない。だか