東京電力福島第一原子力発電所の事故で、計画的避難区域に指定された福島県の飯舘村と川俣町の避難が計画通り進んでいない。政府は避難完了を「5月末」としていたが、2〜3割の住民が区域内に残っている。いずれも6月下旬ごろまでかかる見通しという。 飯舘村によると、31日現在、全村民6177人のうち、23%にあたる1427人はまだ避難先が見つかっていないという。 5月中に避難を終えられなかった大きな理由が、避難先の確保の遅れだ。村は4月22日に計画的避難区域に指定されてから福島市の仮設住宅や公営住宅など住民の避難先を探し始めたが、「1カ月で完了してほしい」とする政府の方針には当初から「間に合わない」との異論が出ていた。