東京電力は17日夜、福島第一原子力発電所内に大量にたまった高濃度の放射能汚染水を浄化する装置の稼働を始めた。浄化した水を再び原子炉内に戻し、燃料を安定して冷却する「循環注水冷却」に欠かせない装置。だが、浄化装置は試運転で相次いでトラブルを起こしており、稼働後も、運転が順調に続くかどうかは未知数だ。 循環注水冷却は、東電が示した原発事故収束に向けた工程表で、7月中旬の「ステップ1」終了時をめどに実現する「燃料の安定的な冷却」の柱。東電は17日、工程表の2カ月目の見直しを行ったが、この目標は変更していない。浄化装置の順調な稼働は、目標達成の「命綱」になる。 東電は今後、装置で浄化された水の原子炉への注入を18日にも始める。循環注水冷却が動き出せば、「安定的な冷却」が目標通り達成できるとしている。