朝はやく、カラスがなにか大きなものを落とした。 落としものはにぶい音をたたてアスファルトの路面にころがった。 近寄るとカラスのなきがらだった。 ひなだったようですこしちいさかったが意外とおもかった。 なきがらを近くの草むらにうつしかんたんに拝礼してそこをはなれた。 数羽のカラスが鳴き一羽が草むらにはいりすこしたちずさんだ。 しばらくするとみんなどこかへとんでいってしまった。 数日がたった。 今朝、ふと気づくとなきがらをおいた草むらのあたりにカラスがたたずんでいる。 鳴きもせず、逃げもせず、私を見ている。 いったん通り過ぎたが思い返して草むらにもどり、ちかくにあったスコップをつかってカラスを埋葬した。 顔は西へ向けた。 スコップを返してもどるとカラスは草むらをながめてから飛び立ち間近の街灯のてっぺんにとまっていた。 車にはいりドアをしめエンジンに火を入れた。 窓越しに街灯を見やると、もうカラ
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