国有地の不透明な大幅値引きも、それに関する決裁文書の改ざんや記録の廃棄も、刑事責任を問うことはできない――。 森友学園をめぐる問題を捜査してきた大阪地検特捜部は、佐川宣寿・前財務省理財局長らを不起訴とする処分を発表した。 土地取引には納税者への背信の疑いが消えない。文書の改ざんと廃棄は、行政の存立そのものを根底から揺るがす。国会では、書き換えられた文書を前提に、実に1年以上にわたって質疑と答弁が交わされてきた。 いずれも民主主義を破壊し、主権者である国民をあざむく重大な行為である。罪なしとする検察の判断に、納得がいかない人は多いのではないか。 地検は記者に対する説明の場を設けたが、刑法の規定や解釈を踏まえた抽象的な物言いに終始し、細部にわたる質問については、関係者の名誉やプライバシーを理由に回答を避けた。 佐川氏らを告発した市民団体などは、検察審査会に審査を申し立てる構えだ。審査会では、検