探査機「はやぶさ2」は2020年12月、「多くてこれくらいだろう」と事前に想定された量をはるかに超える小惑星リュウグウの砂や石を地球へ届けた。これからリュウグウの砂粒一つずつの特徴を記録する「カタログ」を作るキュレーション作業が本格化する。はやぶさ2が持ち帰ったリュウグウの物質をめぐる動きを紹介する2回目は、キュレーション作業のとりまとめ役である臼井寛裕(ともひろ)・宇宙航空研究開発機構(JAXA)地球外物質研究グループ長に、カタログ作りの舞台裏や地球外物質を分析する面白さを聞く。【永山悦子/オピニオングループ】 はやぶさ2が地球へ届けるリュウグウの物質の当初の目標量は、0.1グラムだった。10年に先代はやぶさが小惑星イトカワから持ち帰ったカプセルの中には、目に見えないほど小さな物質しか入っていなかったため、「(はやぶさ2では)目に見える物質が入っていてほしい」「ティースプーン1杯くらいは