産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の長谷川良平ニューロテクノロジー研究グループ長(42)は29日、脳波を測定して意思を解読、伝達する装置「ニューロコミュニケーター」を開発したと発表した。筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)などで言葉を話したり手を動かしたりできない重度障害者の自立支援に役立ちそうだ。2、3年後の実用化を目指す。 研究グループは携帯電話の半分程度の大きさのモバイル脳波計を開発。利用者はヘッドキャップをつけ、それぞれ「気持ちを伝えたい」「飲食したい」などの意思表示に対応したパソコン画面上のイラストを選ぶ。強く反応したときの脳波が読み取られる仕組みという。最大512種類のメッセージを利用者の分身であるコンピューターグラフィックスが読み上げる。 長谷川グループ長は「重度障害者の自立支援や脳情報を活用する新産業創出に貢献できる」と話している。