とーいつのブログ 栃木県の養豚会社「曽我の屋農興(株)」に勤める統一が、 日々思ったことを思ったままに書いてみんとするブログ!! ポーの『黄金虫』や江戸川乱歩の『二銭銅貨』を読むと 無性に暗号が解きたくなってきます。解けないんだけどさ(笑) さてさて、暗号といいますと、ドイツの『エニグマ』が有名です。 第二次世界大戦末期の超難解暗号システム。 その難易度の高さは、その解読が各国の英雄譚にまでなっているほどでした。 アメリカのスパイミュージアムでは 一区画丸まるつかって、 いかなる論理と叡智を持って米軍諜報部がこのエニグマを解読したのかということが 長々と語られています。 実はこのエニグマ、イギリスでも解読されてしまっているのです。 ただし、まったく別の形で。 それはこんなお話。 当初イギリスはアメリカと同様にエニグマ解読のための暗号解読の専門家を召集しました。 が、思ったような成果をなかな
マイセン 秘法に憑かれた男たちposted with amazlet at 12.04.29ジャネット・グリーソン 集英社 売り上げランキング: 432415 Amazon.co.jp で詳細を見るかつて東洋で作られた磁器は、西洋においては黄金に比せられるほどの価値を持っていた。他に先んじて磁器を開発することが危急の課題とされ、諸国は秘法を求めて競いあった。そんな中、一人の錬金術師がザクセン選帝侯の手に落ちる。本書は、「賢者の石」の探求に始まるマイセン磁器産業の歩みを描いたノンフィクションである。王侯貴族、技術者や職人、山師など、一癖も二癖もある人物が織りなす物語は、大河小説の趣さえあって無類に面白い。普段何気なく使う道具の陰にも素晴らしい物語が潜んでいる。 乾燥標本収蔵1号室―大英自然史博物館 迷宮への招待posted with amazlet at 12.04.29リチャード・フォーテ
大英博物館の学芸員の話です。 どんな標本を集めているのか、どんな変人がいるのか、エピソードを集めています。 倉庫の引き出しの一つ一つに、大自然の切片がひしめいていて、今にもあふれ出しそう。 その中で、エピソードをひとつ。(p.239-240を要約) 第二次世界大戦中、役人の手違いで 隠花植物(cryptogams)の専門家ジェフリー・タンディが、 暗号解読(cryptograms)の専門家として採用され、数学者達の間で働くことになった。 暗号解読者の中に、1人だけ海藻マンが交じっていたわけである。 ある時、ドイツ軍の潜水艦から暗号文が書かれたノートが回収されたのに、ずぶぬれで読めなかった。 しかし、いつも海藻を扱っているタンディには、どうすればいいのかわかっていた。 暗号解読とは『R』一文字違うだけの専門家によって、そのノートは無事復元された。 ※前にアラン・チューリングの伝記を読んだけど
¥2,500+税 NHK出版 2011/4/25発行 ISBN978-4-14-081473-4 年末の中日新聞に、作家学者評論家書評家たちが「私の3冊」を挙げるという企画が毎年掲載されるのだが、昨年末のこの欄で、本書を挙げた人が二人いた。 なんとなくタイトルも好みだし、それではちょっと読んでみようかな、と。 大英自然史博物館を舞台に語られる、変人ぞろいのキュレーターたちと収蔵される標本たちの物語。 期待したほど「抱腹絶倒」なわけでもなかったけれど、興味深く読みました。 > わたしたちはみな、自分という博物館のキュレーターなのだ。(47頁) > 博物館員たるもの、研究のことで頭がいっぱいで粗忽になるのも仕事のうちだ。(298頁)
ラジオ英会話のテキストの「NHK出版 翻訳書のご紹介」で紹介されていました。かなり専門的な話なのですが、面白かったですこれが原作で読めればすごいですが、専門的過ぎて無理かなぁ。 DRY STORE ROOM NO.1: The Secret Life of Natural History Museum 乾燥標本収蔵1号室―大英自然史博物館 迷宮への招待/リチャード・フォーティ ¥2,625 Amazon.co.jp この本のあらすじ (「NHK出版 翻訳書のご紹介」より引用) これは普段見ることができない展示物の裏側、それも世界最大級の「大英自然史博物館」の舞台裏について初めて明かした作品である。 博物館の裏側にある研究室で、様々な生き物と恋に落ち、人生を捧げた研究者たち。その相手は、蚊からシラミ、クモ、魚類、キノコ、甲虫…と実に幅広い。彼らは、自分のほれ込んだ「種」と一生添い遂げるのだ。
図書館から借りても2週間じゃ読めないことが たまにありますが すごく面白かった本がありました。 8割くらいまでは読んだのですが 残念ながら返却日になっちゃいました。 返却しちゃったので 思い出しながらの記述です。 「乾燥標本収蔵1号室 大英自然史博物館 迷宮への招待」 著/リチャード・フォーティ 著者は大英自然史博物館に長年勤めて 最近退職されましたが博物館学会の偉い人で 三葉虫の専門家です。 文章は大英自然史博物館の紹介なんですが とにかく幅広くいろんな話題が詰まっています。 大英博物館ができたのが100年以上前なんですが そのころのお話から 著者が勤め始めた40年くらい前の話もあって 最近のDNA研究の話まで およそ100年以上の歴史も紹介してくれます。 そしてそこで紹介される研究者はたぶん100人以上。 すごい研修者から変人の研究者まで いろんな研究者が登場しますが おおむね研究者っ
07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月 リチャード・フォーティの『乾燥標本収蔵1号室』の中に、次のような一節を見つけて私はにんまりした。 「大英帝国の、賞賛に値する数少ない特質の一つは、博物館と植物園を作りたがることだ。二、三年ほどまえのことだが、わたしはコルカタ(旧カルカッタ)のインド博物館を見学した。そこもまた荘厳な雰囲気の漂う巨大な建物で、インド亜大陸の工芸品が収蔵されていた。近くにはやはり古い歴史をもつインド地質調査所があり、一九世紀末に収集された三葉虫の標本が、当時の紙箱のまま保管されていた。その場所全体が、イギリスが撤退したときと何も変わらず保存されているかのようだった。まるで、化石化した博物館とでも呼べそうな代物だ。(中略)事務員は毎朝一〇時に出勤し、羽根ぼうきで埃を払うと、あとは終日、仕事
標本というと、皆さんどんなイメージを持つだろうか? 理科室の実験室にある、カエルのホルマリン標本? 地学室にあるアンモナイトの化石? 世の中には色んな標本があるけど、今回紹介するヒトデの乾燥標本はアンモナイトの化石みたいなイメージ。ヒトデの体は硬い殻に覆われている(*1)ようなものなので、乾燥標本にしやすいのである★ 嫌がられるヒトデもあっという間に素敵なオブジェクトとして部屋に飾れてしまうのだ! では、門外不出と言われたヒトデの乾燥標本の作り方をここに紹介しよう (`・ω・´)! もちろん、門外不出というのは嘘だが! けど、その前にちょこっと標本というものの解説をしてみよう。 標本とは研究対象の生物を時間が経った後も観察したり、調べたりするようにするように保存しておくものである。しかし、そのままでは保存できない。放っておくと腐っていったり、形が崩れていくので、それを止めるためにホルマリン
第六話 むずかしいところは後回し 和歌子暑さも忘れる程面白い本はありましたか。 らん私は、お父さんが買ってきた『乾燥標本収蔵1号室 大英自然史博物館 迷宮への招待』(NHK出版)が印象に残りました。書いたのはフォーティという三葉虫の専門家。動植物の標本から分類、生態と、ロンドンにある自然史博物館を舞台に、次から次へと面白い話が出てきます。でも、色々変わった動物もいるけど、一番ヘンなのは博物館に勤めている学芸員だっていうことがよく分かりました。 和歌子難しくなかった。 らんすごく面白かった。それとちょうどその本を読んでいる時、松阪の郊外のある博物学の先生にお会いすることがありました。書斎には、カエルや三葉虫の化石、古代の水の入った化石や、昆虫の入った琥珀。 和歌子ジュラシック・パーク! らんそう、でも蚊ではなかったけど。アルマジロやワニの剥製や珍しい植物がどっさり。二つの世界が重なって、暑さ
大英自然史博物館のなりたちから現在の姿までを、そこに務める研究員たちのエピソードを積み上げることで簡単に振り返っていこうというスタンスの著書。博物館の形容として、「ゴーメンガースト城のような」という表現が何度も出てくるけれど、どれだけ気に入ってるんだろう? 「科学には意見の相違がつきものなのだ」 博物館の科学者たちの研究対象は、門外漢には無限とも思える植物・動物・昆虫・細菌から鉱物まで。それぞれが専門を持っているといっても、その数は何万となるのがあたりまえ。地球にどれだけの種類の生物がいるかは不明ながら、少なめに見積もっても現在命名されているのは、何百万という種の半分にも達していないのだとか。今さら増えるのかと思ってしまう鉱物ですら、毎月2~30種が発見され命名されているのだそうです(砂粒レベルまで検査できる機器の発達の賜物です)。 そして、一生懸命に命名し分類しても、何かの弾みでその系統
07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月 忙しい時ほど、仕事と無関係の本が読みたくなってしかたがない。こういう経験を持っている人は少なくないだろう。 買いました。リチャード・フォーティ著『乾燥標本収蔵1号室』NHK出版、2011年。 カバーには次のように謳われている。 古生物学の世界的権威である著者が、30年間を過ごした古巣の素顔と、そこに生息する浮世離れした住人たちの姿を、軽妙な語り口で綴った「大英自然史博物館全史」 なんでも著者は三葉虫研究のスペシャリストだとか。どうです。ちょっと読みたくなってくるでしょ。 *熊楠も出入りしたサウスケンジントンの大英自然史博物館(大きすぎて、この距離からだと全貌がファインダーに収まらない)。去年の2月にはなぜか門前を素通りしただけに終わった。次回は必ず行かねばならぬ。
2011年08月07日03:22 カテゴリ書評 書評 乾燥標本収蔵1号室 書評 乾燥標本収蔵1号室 大英自然史博物館迷宮への招待 乾燥標本収蔵1号室 著者 リチャード・フォーティ 訳者 渡辺政隆・野中香方子 出版社 NHK出版 発行 2011 04/25 夏の真ん中、8月である。子ども達は夏休み。山へ海へ、そして動物園、博物館とさて何処へ?! この時期、仕事のスケジュールで何処へも行かれない方に是非! よって、今日はこの書籍をセレクト。 著者は、大英自然史博物館に長らく勤務し三葉虫の研究では名高い人物で、この博物館の舞台裏を書籍を通して案内してくれる。 実は、大英自然史博物館の命名すらだいぶ揉めたそうだ。 まずは、科学の分類からはじまる。多種多様に見える自然のさまざまな事物を収集して記載し、形態や構造が似たものをある種の基準によって区分けする。 ここで主役となるのが生物学・植物学、「分類
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