〈いつの日も部下の手柄を取る人の転勤決まる独りで生きよ〉。今週の産経歌壇にあった、町田市の冨山俊朗さんの作品だ。逆にトラブルが起これば、すべて部下の責任にしてしまう。こんな人はどんな組織にもいる。 ▼失礼ながら小欄は、鳩山由紀夫首相の顔を思い浮かべた。米軍普天間飛行場の移設問題で、滝野欣弥官房副長官が、鹿児島県・徳之島の3町長に電話して、平野博文官房長官との会談を申し入れたところ、拒否されたという。 ▼移設反対の大集会が開かれたばかり。しかも平野長官が徳之島に出向くのではなく、鹿児島市に出てこいと言わんばかりとなれば当然だ。「どのような思いで滝野副長官が電話をしたか分からない」。記者団が鳩山首相に電話のいきさつを尋ねると、相変わらず人ごとのような答えが返ってきた。 ▼官房副長官も立場がない。もし勝手に電話したというのなら、官邸はすでに機能不全に陥っている。それにしても、都合の悪いことは何で