左巻健男著『面白くて眠れなくなる人類進化』PHPを何気なく読み始めたら面白くてwついついかなりを読んでしまった。 本書を書くに当たって何か月か生命の歴史や人類史を学んで、頭の中で内容構成が発酵したときに執筆開始したことを思い出す。 愛称“ルーシー"という猿人/ピルトダウン人骨捏造事件/私たちのなかに生きるネアンデルタール人/現代人にそっくりな少年の原人/ヒトと類人猿の分かれ道/五本指は原始両生類から始まった?/恐竜と同時代を生きていた原始哺乳類/“イーダ"の化石/顎を獲得して生物の巨大化が始まった/三葉虫と目の誕生/私たちの祖先はナメクジウオ?/最古の生命の痕跡を発見した日本人… アマゾン→ http://www.amazon.co.jp/dp/4569827608/ref=cm_sw_r_tw_dp_ZF1Awb197APYJ ─────────────────────────── はじ
本書は「なぜネアンデルタール人が絶滅し、初期現世人類は絶滅しなかったのかという人類学の大問題」に、最新の研究結果と巧みな想像力で迫っていく、知的興奮に満ちた一冊である。原書である『The Invaders』は2015年3月に出版されたばかりで、著者が引用している論文はここ数年で発表されたものも多く、古人類学の知識を大幅にアップデートできる。本書で描かれるネアンデルタール人の真の姿、絶滅への過程、侵入者としてのヒトとイヌの姿はこれまでの常識とは大きく異なり、驚かずにはいられない。 ネアンデルタール人絶滅という大問題には、これまでも様々な角度から解答が提出されてきた。有力だと考えられてきたものの1つは、気候変動説。ネアンデルタール人が地球上から姿を消した頃の気候は非常に不安定で、数百年という短い周期で温暖期と寒冷期をいったりきたりしていた。しかし、気候変動だけでは、説得力ある説明にはならない。
読み始めると小学校の時、夢中になったドリトル先生を思い出し、時間を忘れてしまった。図鑑を見ながら憧れていた動物園の飼育員。この本の中には私の幼いころの夢がぎっしり詰まっている。 最近、結婚して子供が生まれ久しぶりに動物園に行ったという友人は、昔とずいぶん変わっていて驚いた、と話してくれた。 狭い檻の中に閉じ込められていたライオンや、長い鎖をつけられて杭に繋がれていたゾウなどを記憶している年配者だと、その驚きは一層のものだろう。なにしろ人と動物とを隔てているのは深い溝だけで、目の前でパンダもキリンも見られるのだ。時には糞や尿をかけられたり、唾を吐きかけられたりするので、注意書きは欠かせない。 本書は動物福祉の観点から、21世紀に入ったころから導入され始めた環境エンリッチメントといわれる“飼育動物の幸福な暮らし”を追い求めた4か所の動物園と飼育員たちの試みを描いていく。 取り上げたのは埼玉県こ
朝、会社に行こうと玄関のドアを開けたら、大きなピレネー犬が倒れていた。大変だ、病院に運ばなきゃ! でも、こんな大型犬、どうやって持てばいいの?? 大ピーンチ!! ……って、「普通じゃ~ん」と思ったあなた、い~えいえ違うのです。これは互いの腰に負担をかけず、犬が暴れてもキックされにくく、万が一、落としても着地の危険が少ない、という、じつに考え尽くされた持ち方なのだ。 これで、通りかかった配達のお兄さんから台車を強奪する必要もなくなった。本当によかった、この本があって!! と、若干妄想が入りましたが、本書は身近なペットから危険生物まで、獣医さんやペットショップのオーナーさんなどその道のプロが「正しい持ち方」を写真で伝授してくれる、『家庭の医学』並みに一家に一冊必備されてもよい実用的な本なのである。 たとえば光る竹を切ってみたら、かぐや姫のようなオオコノハズクが出てくること、たまにありますね。小
ハダカデバネズミ! “ブサカワ”動物界のスターの、衝撃的な写真が表紙を飾る。 2004年に第1弾が発売されベストセラーになった、早川いくをさんの人気シリーズ「へんないきもの」。その最新作は、大判の「読む写真集」である。へんな生きものたちの、「へんな」生態が、流麗な写真とユーモアあふれる文章とともに紹介される。 トラフトンボマダラチョウのサナギは、黄金色に輝き周囲を映し込むことで「光学迷彩」的役割を果たす。ノコギリエイのノコギリは、獲物への攻撃に加え、センサーの役割ももつ。 深海への適応、天敵対策、捕食の効率化……へんな生きものは、特殊な環境、特殊な状況に適応していくために、「へん」になった。「へん」には「へん」の理由がある。 不思議。キモい。その形状、おかしいだろ。でもどこか愛らしい。毒々しいほどキレイな色彩。次々と繰り出される「へん」の中に秘められたドラマには、ある種の感動もおぼえる。
ココリコ・田中直樹と長沼毅広島大学准教授は、自身が手掛けた動物図鑑「ココリコ田中×長沼毅presents 図解 生き物が見ている世界」(学研パブリッシング)の発売を記念して、8月16日(日)に東京・新宿の紀伊国屋書店で発売記念トークショー&サイン会を開催した。 ヒトを含めて全34種類の“生き物が見ている世界”をイラスト化し、生態とともに紹介している図鑑。「制作に2年半以上かかった」と語る田中は、「生き物たちが見ているであろう世界をオールカラーで描いた、今までになかった本ができました。本当に大好きな本が出来上がった」と感無量の様子。科学界のインディ・ジョーンズという異名をもつ長沼先生は、「科学的に間違いのないようにしたかったが前例のないことで難しかった。でも、英語の論文などを和訳したものを田中さんが読んで理解を深めていくなど、サイエンティックな根拠のあるものになったと思います。この本の出来は
ホッケの干物といえば居酒屋メニューの定番。大皿にもおさまらないくらい大きくて、仲間たちとワイワイつつく魚。家で焼こうとしようものなら、魚焼きグリルからしっぽがはみだしてしまうような。 ところが、そのホッケがいま、年々小さくなっているという。それこそアジの干物ほどの大きさに。しかも値段は高騰、居酒屋メニューのような庶民の味ではなく高級魚になってしまったというのだ。たしかに言われてみると、スーパーの鮮魚売り場で見かけるホッケは、こじんまりと品よく高い。なぜこんなことになったのか。 ホッケの漁獲量が減ってしまったのだ。もはや海に大きなホッケはほとんど見当たらなくなっているという。1998年の20万トンをピークに、2011年にはなんと!75%減のたった5万トンになってしまった。獲りすぎたのだ。 こうして獲りすぎて、いなくなってしまった魚はホッケだけではない。マイワシ、ニシン、マサバ、ウナギ…。クロ
ISBN: 9784000296373 発売⽇: 2015/04/17 サイズ: 19cm/115,3p ハトはなぜ首を振って歩くのか [著]藤田祐樹 駅前や公園で、「ぐるっぽぐるっぽ」とぼやきながらたむろしている。首のあたりがぎらついている。そして、その首を振って歩く。私はやつらがやや苦手だ。やつら——そう、ハト。 苦手な理由はまさに、右に挙げた特徴のせいだ。襲撃されそうで、なんかこわい。しかし本書を読み、私の恐怖心は、かれら(ハト)に対する無知から来るものだったのだと、深く反省した。ハトが首を振って歩くのは、我々人類を威嚇するため、ではなかったのである! じゃあなぜ、首振りをするのか。詳しくはぜひ本書をお読みいただきたいが、おおまかに言うと、(1)目(2)歩きかた(3)食べ物が関係しているようだ。著者は、鳥類と人類の骨格を比較し、ハトをはじめとするさまざまな鳥を観察して、門外漢にもわか
スキタイと匈奴 遊牧の文明 (興亡の世界史) 作者: 林俊雄出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/06/16メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (16件) を見る馬駆ける草原に興った、もうひとつの文明 黒海北岸のスキタイ、モンゴル高原の匈奴。「蛮族」とみなされた彼らが築いた広大な国家と、独自の文明とは。ヘロドトスや司馬遷が描いた騎馬遊牧民の世界を探る 内容(「BOOK」データベースより) 前七世紀前半、カフカス・黒海北方に現れたスキタイ。前三世紀末、モンゴル高原に興った匈奴。彼らはユーラシアの草原に国家を築き、独自の文明を作り出した。ヘロドトスや司馬遷が描いた騎馬遊牧民の真の姿は近年の発掘調査で明らかになってきた。 この本では第一章で「騎馬遊牧民の誕生」を取り上げている。 「野生の獣はいつ、どこで、誰が、いかにして家畜化したか」 これは「銃・病原
スティーブン・ピンカーの『暴力の人類史』では、様々な資料や統計を駆使して、人類が歴史を通じていかに暴力を減少させていったかが示されている。扱われている「暴力」の種類も様々であり、国と国同士で行われる戦争やある社会が特定の集団に行う虐殺など集団間でのマクロな暴力から、残酷な処刑や拷問に決闘や魔女狩りなどの慣習に殺人事件などの集団内での暴力まで、いずれの形の暴力も減少していると示されている。第7章「権利革命」では、アフリカ系アメリカ人などの人種マイノリティ・女性・子ども・同性愛者などのマイノリティの権利が、特に20世紀後半に各国で認められるようになり、それらのマイノリティに対する暴力が減少していったことが論じられている。そして、動物に対する暴力とそれを減少させた「動物の権利」運動も、この第7章で取り上げられている。 『暴力の人類史』は様々なテーマが少しずつ取り上げられている一方で、それぞれのテ
現実を生きるサル 空想を語るヒト―人間と動物をへだてる、たった2つの違い 作者: トーマス・ズデンドルフ,寺町朋子出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2014/12/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 本書はトーマス・ズデンドルフによるヒトと動物の間の心の違いについての本だ.ズデンドルフは,言語の身振り起源説を唱えたことで有名な認知科学者のマイケル・コーバリスの弟子筋に当たる研究者で,ヒトと大型類人猿との比較認知,比較心理,ヒトの心理の進化などを専門としている.本書の中心となる主張は,「ヒトと動物の心の違い(ヒトの特異性)は,主に『再帰構造を持つシナリオ構築力』と『心を他者の心と結びつけたいという衝動』にある」というものだが,それを説得的に示すためにこれまでの関連分野のリサーチを驚くほど丁寧に総説している.原題は「The Gap: The Science of W
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く