解剖の天才、ジョン・ハンターの登場18世紀イギリスの医者は主に、医薬に精通した内科医か、手術を行う外科医のどちらかに分かれていました。 しかしいずれも古くからの言い伝えや俗説にどっぷり浸かっており、今の基準ではまったく間違った治療をすることも少なくなかったのです。 例えば、血液を無理に抜き取る「瀉血(しゃけつ)」などがそう。 モーツァルトはリウマチ熱を治療するために何度も瀉血をされ、どんどん衰弱し、1791年に帰らぬ人となっています。 このように西洋医術は数百年の間ほとんど停滞したままでしたが、そこに現れたのがジョン・ハンターです。 ジョン・ハンターの肖像/ Credit: ja.wikipedia ジョンは1728年2月13日にスコットランドの農村に生まれました。 幼い頃から学校での勉強に興味をもたず、屋外で虫や動物を追いかけて集めることに夢中だったといいます。 おそらく、この頃から「生
