「コクゾウムシはどこから来るのですか」と質問されることがあります。私達は日常生活でコクゾウムシを見ることはほとんど無く、確かに不思議です。年配の方は、昔はよくお米に沸いたものだけど、今では見なくなったと言われます。コクゾウムシ減少の理由のひとつは、近年の異物除去技術の進歩にあります。貯蔵された玄米を精米する施設では、玄米に混入している割れた米、変色した米、虫くいのある米、虫自体を、精米するときに様々な方法で除去しているのです。 例えば、色彩選別機を用いることで、お米をひと粒ずつ流しながら、カメラで撮影して瞬時に色を識別し、異物に空気を噴射することではじき除去することが出来ます。その結果、虫や異物のない精米を包装することができ、コクゾウムシは見られなくなったと思われます。 しかし、玄米の貯蔵倉庫や精米所を調べてみると、コクゾウムシがいなくなったわけではありません。私達の研究グループは、200