ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河Mrk1337。地球からの距離はおよそ1億2000万光年。2006年にこの内部で起こった超新星爆発が、現在の宇宙の膨張速度を計算するために必要なデータを提供した。(IMAGE BY ESA/HUBBLE & NASA, A. RIESS ET AL.) 観測から得られた複数のデータに基づくと、宇宙は、宇宙論に基づく最も優れた推定よりも速く膨張しているという。なぜそのようなズレが生じたかは定かでないが、その証拠は何年も前から積み上がっており、現代天文学最大の謎の一つとされている。これを「宇宙論の危機」と呼ぶ研究者もいるほどだ。 そしてこのほど、ハッブル宇宙望遠鏡を使って膨大なデータを収集した研究者グループが新たな膨張速度を発表、このズレが統計的な偶然である可能性は100万分の1であると報告した。つまり、まだ明らかになっていない宇宙の基本成分が存在しているか