最先端の哲学の議論を用いて身近な物事について考える——。 そんなスタイルの哲学入門書『世界最先端の研究が教える すごい哲学』(総合法令出版)が刊行されました。 たとえば、同書はこんな問題を扱います。 「フードポルノ」や「貧困ポルノ」といった「ポルノ」という語彙を用いた言葉を目にすることが増えましたが、なぜこれらの言葉は性的でもないのに「ポルノ」を含むのでしょうか? 「分析美学」という分野を専門とする村山正碩さんが解説します(本記事は同書の一部を抜粋、編集したものです)。 「ポルノ」を使った言葉の数々 ポルノグラフィ(以下、ポルノ)とは何でしょうか。私たちがこの言葉から思い浮かべるものといえば、アダルトビデオ、エロ本、官能小説など、性的興奮をかき立てるイメージや文章でしょう。 しかし、興味深いことに、近年では性的でないものが「ポルノ」と呼ばれるケースも見られます。これは英語圏で盛んな現象です
![「フードポルノ」「貧困ポルノ」…性的じゃないものを、なぜ「ポルノ」と呼ぶのか? 「美学」が教える“一つの答え”(村山 正碩)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1a23a89d64b0aa20b852cf9f9b1bccadb83bee46/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F6%2F3%2F1200m%2Fimg_63c2ea3bb5f9c9b874d47640c777f98f75083.jpg)