スーパーコンピューター開発会社「ペジーコンピューティング」による詐欺事件で、東京地検特捜部に逮捕された社長の斉藤元章容疑者(49)が調べに対し、「外注費を装って事業費用を水増しし、助成金を受け取った」と不正を認める供述をしていることが7日、関係者への取材で分かった。 助成金について「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に採択された別の助成事業の開発資金に充てた」と話し、私的流用を否定していることも判明。一部は斉藤容疑者が関係する複数企業の増資に充てられた疑いもあり、特捜部が資金の流れを調べている。 斉藤容疑者と元事業開発部長の鈴木大介容疑者(47)は2014年、NEDOが実施した助成事業で、研究開発に掛かった事業費用を水増しした報告書を提出。助成金約4億3100万円をだまし取った疑いが持たれている。 関係者によると、鈴木容疑者は調べに対し、助成金の不正受給は「社長の指示だった」と
大手IT各社は、仮想化技術を用いた「ドッカー」と呼ばれる、軽量で移行性に優れたコンテナ式アプリケーション(応用ソフト)実行基盤の普及拡大に乗り出す。日本IBMは自社クラウドに依存せず、オンプレミス(自前運用)でも使えるコンテナ式の実行環境「IBMクラウドプライベート」の提供を始めた。NECはドッカーの利便性を生かし、人工知能(AI)の利活用を促進するサービスを立ち上げた。ITの新潮流であるコンテナ型の仮想化技術が日本でもいよいよ本番稼働に入る。 ドッカーはアプリやミドルウエアなどを抽象化して、コンテナ方式でコンパクトにまとめ上げる技術。大がかりなシステムが不要な上、場所を問わずに多様なクラウドやオンプレミスなどを実行できる。 この技術はオープンソースとして複数提供されているが、中でもドッカーは米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)や米マイクロソフト(MS)がクラウドサービスに採用し、ここ数
マクセルはナイルワークス(東京都渋谷区)と共同で、農業用ドローン(飛行ロボット)専用のリチウムイオン電池と充電器を開発した。複数の電池をつなげることで、1時間当たりの電気容量をスマートフォンの電池と比べて約60倍に高めた。2018年5月から製造販売する。価格は個別見積もり。 開発したリチウムイオン電池は、使用回数による容量低下を予測したり、充電中の温度と電圧、電流を制御したりできる。また、飛行中の電池切れなどのリスクを回避するために、電池の状態を常に監視し、異常時に警告できる機能を搭載した。 電池パックの製品外形は縦124ミリ×横90ミリ×高さ240ミリメートル。直列で12個つなげた場合の1時間当たりの電気容量は、435・12ワット。専用充電器は電池パックを6個搭載可能で、2個ずつ同時に充電できる。 農業用ドローンは国内外で普及が見込まれる一方、電池切れ対策などの安全性や信頼性が求められて
大阪府立大学研究推進機構21世紀科学研究センターの中澄博行特認教授らは、農業用の太陽光波長変換フィルムを開発した。太陽光の波長の一部を変換し、植物の光合成に必要な波長の光を増やす。生産性や品質の向上につながる。ヘキサケミカル(大阪府東大阪市)やシプロ化成(大阪市東淀川区)など関西の中小蛍光色素メーカー6社と連携し開発。チャックシール付き袋メーカーのハイパック(東京都港区)の協力も得て2018年の製品化を目指す。 中澄特認教授と企業のグループは光合成に使われる青色光の波長に着目。フィルムに機能性蛍光色素を付着し、光合成に使うよりも少し短い波長の光を量を減らさずに変換する。トマトのリコピンやブドウのアントシアニン、ポリフェノールなどの成分の含量増加を確認した。 開発にかかわる他の企業は新中村化学工業(和歌山市)、山陽色素(兵庫県姫路市)、日本化学工業所(和歌山市)、ヤノ技研(兵庫県宝塚市)。同
名古屋大学は産学共同研究に参加する博士課程の学生を、年俸約300万円でフルタイム雇用する新制度を始めた。博士研究と共同研究のテーマがほぼ同一の特に優れた学生に対し、共同研究費の一部から給与を支給する。学生でありながら社会人として位置付けることで、企業ニーズの高い守秘義務や研究進捗(しんちょく)管理も進むと期待されそうだ。 この「研究員(学生)制度」は産学共同研究費を原資に、大学側が博士課程後期の学生をフルタイムの契約社員として雇用する仕組み。対象プロジェクトの限定はない。第1号は文部科学省の支援事業「産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム」(OPERA)の中で、数人を対象に実施した。 博士学生支援で一般的なリサーチアシスタント(RA)制度は、学業優先が前提であり、単価や時間はさまざまだ。名古屋大の標準では時給1500円、最大週20時間のため、多くて年150万円程度だった。 しかし講
キリン(東京都中野区、磯崎功典社長、03・6837・7001)の健康技術研究所は24日、ビール原料である熟成ホップのエキスに体脂肪を低減する効果があることを確認し、量産技術を確立したと発表した。飲んでも太りにくいビールの実現などに道を開く。低迷が続くビール市場を活性化する起爆剤となるか。(編集委員・嶋田歩) 【世界で初の確認】 キリンは熟成させたホップに体の脂肪を減らす効果があることを、世界で初めて確認したとしている。成人の男女200人を2グループに分け、熟成ホップエキスを含む飲料と同エキスを含まないプラセボ(偽)飲料を12週間、毎日飲み続けてもらった。飲料摂取前と期間中、終了後に内臓脂肪の面積をCTスキャンで測定した。 熟成ホップエキスを飲んだグループはそうでないグループと比べて、脂肪の面積や体脂肪率が低下する傾向が確認できたという。摂取終了後の内臓脂肪の面積減少はホップエキスを摂取した
現在最速のスーパーコンピューターで何百年もかかる計算を一瞬で解くとされる、量子コンピューターの実現が近づいてきた。ここ十数年の間、「2020年にも実用化か」「2050年までかかる」などさまざまにささやかれてきた。だが、量子力学の法則に基づく“正統派”だけでなく、今や多様な計算機が登場し、実用性を打ち出す成果も徐々に出ている。“夢の計算機”は創薬の効率化や高精度の気象予測、モノづくりの高度化などに威力を発揮する。人工知能(AI)の性能も爆発的に向上するだろう。 (藤木信穂) 【並列処理】 量子コンピューターは、異なる二つの物理的状態を同時に取れる、量子力学的な「重ね合わせ」の性質を利用して計算する。現代のコンピューターは一度に一つの計算しかできないが、量子コンピューターはこの重ね合わせの原理により、複数の計算を同時に行う。そのため、1回の計算で大規模な並列処理が可能なのだ。 例えば、現在の暗
TOTOが「未病」の領域で、研究開発を続けている。排便臭のデータをトイレ内で日々取得し、腸の健康状態をモニタリングすることで病気の早期発見や健康維持につなげる取り組みだ。食事などさまざまな生活習慣のデータとクラウド上で結びつければ、大きな価値が見い出せる。情報通信技術(ICT)の発達で、研究は新たな段階を迎えている。(斎藤正人) 「排せつ物はゴールデンデータだ」(福田幸弘TOTO上席執行役員総合研究所長)。排便時に発生するガス成分は、およそ1000種類あるという。ガス成分の種類や濃度、比率などのデータを取得し、組み合わせることで腸内環境を推測できる。 疾患の発見にも役立つ。例えば、複数の種類の大腸がんに関して、腫瘍の大きさを推測できることが分かってきている。 トイレは誰もが必ず使う。日々のさりげない行為でデータを蓄積できる。データ収集のためのセンサーは、トイレの脱臭機構に組み込めるため、大
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く