東日本大震災によって発生した大津波は、太平洋沿岸の農地 23600 ha に甚大な被害をもたらした。約1年が経過した現在も、被災地の農業の復旧・復興にはまだまだほど遠い状況にある。震災前から抱えていた高齢化や後継者不足などの課題に加え、行政による農地の復旧工事の遅れ、過去の借金が負担となって再建のための資金調達が難しくなる二重債務など、さまざまな問題が壁となり、営農再開への道のりは険しい。そんななか、これまでとはまったく違う農業経営で再建に踏み出した生産者たちがいる。仙台市宮城野区でそれぞれ農業を行っていた瀬戸誠一さんら3農家が、共同で立ち上げた農業法人「さんいちファーム」だ。 さんいちファームが目指すのは、水耕栽培による農業復興。植物工場事業で実績のある環境コンサル会社・リサイクルワンと連携し、今年1月、塩害被害が著しい宮城県名取市の農地で、600坪の水耕栽培プラント3棟の建設がスタート
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