ブックマーク / synodos.jp (154)

  • UNSCEAR最終報告・福島の住民への放射線被ばくによる健康影響は見られない――明石眞言氏インタビュー/服部美咲 - SYNODOS

    UNSCEAR最終報告・福島の住民への放射線被ばくによる健康影響は見られない――明石眞言氏インタビュー 服部美咲 フリーライター インタビュー・寄稿 「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」(UNSCEAR)は、2021年3月9日、東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「福島第一原発事故」)の影響に関する報告書(以下「2020/2021年報告」とする)を公表した。 UNSCEARは、放射線が人や環境に及ぼす影響についての重要な事項を網羅的に調べ、国連に報告する役割を持つ。科学的な報告のみを行い、他の国際機関や各国などに対する提言や勧告は行わない。(UNSCEARの報告を受けて、IAEAやWHO、ICRPなどの国際機関は各々の分野における提言や勧告をし、ガイドラインを作成する。各国はこれらを参考に政策をつくる。下図参照。) UNSCEARは、2013年に福島第一原発事故の報告書(以下「20

    UNSCEAR最終報告・福島の住民への放射線被ばくによる健康影響は見られない――明石眞言氏インタビュー/服部美咲 - SYNODOS
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    agrisearch 2022/05/23
    「福島で行われている甲状腺検査…過剰診断(検査で見つからなければ一生症状を出したり死亡につながったりしなかったがんを見つけてしまうこと)が起きている可能性がある」
  • 甲状腺検査はリスク評価を攪乱する――疫学からみた福島の甲状腺検査/祖父江友孝氏インタビュー / 服部美咲 - SYNODOS

    チェルノブイリ原発事故の後、原発周辺地域で子どもの甲状腺がんが多く見つかった。このことから、東京電力福島第一原子力発電所の事故の後、「福島でも子どもの甲状腺がんが増えるのではないか」と住民の不安の声が多くあがった。福島県は、住民の不安にこたえるために甲状腺検査を開始した。福島の甲状腺検査は、原発事故当時18歳以下だった住民を対象にした甲状腺がんスクリーニング(無症状の集団に対して行う、甲状腺がんの可能性の有無のふるいわけ)である。 福島県の県民健康調査検討委員会や下部組織である甲状腺検査評価部会は、現在までに2度の中間報告を出している。現在までの報告では、「福島第一原発事故による放射線被ばくと甲状腺がん発見率には関連が確認できない」とされている。 ただ、検討委員会でも、現行の甲状腺検査では、原発事故後の放射線被ばくによる甲状腺がんリスク評価ができない(「疫学研究の方法論としては破綻している

    甲状腺検査はリスク評価を攪乱する――疫学からみた福島の甲状腺検査/祖父江友孝氏インタビュー / 服部美咲 - SYNODOS
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    agrisearch 2022/04/04
    「見つかった甲状腺がんの90%以上が過剰診断である可能性も十分にあります」
  • ゲーム障害は臨床的に必要な概念なのか?――病理化、スクリーニング、モラルパニック/山根信二×井出草平 - SYNODOS

    井出 先日、国立病院機構久里浜医療センター院長の樋口進氏が、ゲーム障害(原語はgaming disorder)を推定する学術論文を発表しました(以下、樋口2021年論文)【注1】。そこでは、日の一般人口におけるゲーム障害の推定有病率は、男性7.6%、女性2.5%、全体で5.1%であったという結果が示されています。この論文に関しては、以前にシノドスで分析を書きましたので、そちらを参照いただければと思います(「ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり」)。 日は、ゲーム学・デジタルゲーム研究がご専門の山根信二先生と、この樋口2021年論文を検討したいと思います。具体的には、これまでゲーム障害という概念を推進してきた学者の論文との整合性を、2人でチェックしていくことになります。彼らの言っていることに矛盾はないのか、樋口20

    ゲーム障害は臨床的に必要な概念なのか?――病理化、スクリーニング、モラルパニック/山根信二×井出草平 - SYNODOS
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    agrisearch 2021/11/20
    「ゲーム症」
  • ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり/井出草平 - SYNODOS

    ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり 井出草平 社会学 社会 エグゼクティブ・サマリ 久里浜医療センターの樋口進氏らのグループが発表した論文から、ゲーム障害を過剰診断していく方針が読み取れる。この論文は厚労省・文科省の政策にも影響があると考えられ、ゲーム好きの健康な子どもや若者たちが、精神疾患とレッテルを貼られ精神科病棟に入れられる未来も現実味を帯びてきた。 先日、ゲーム障害の有病率調査が久里浜医療センターによって発表された。【注1】英語論文として発表されたため、まだ一般には知られていないが、専門家の間ではかなり話題になっている。というのも、久里浜医療センターはゲーム障害でない人を診断しようとしているのではないか、と、いわゆる過剰診断を懸念する声が湧き上がっているからである。 稿では、久里浜医療センターの研究を紹介

    ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり/井出草平 - SYNODOS
  • 倫理的に「食べる」とはどのようなことなのか?――食農倫理学への誘い/太田和彦/芹沢一也(ホスト) - SYNODOS

    開催日時 2021年7月24日(土)14:00~15:30 講師 太田和彦 ホスト 芹沢一也 場所 Zoom 料金 1100円(税込) ※高校・大学・大学院生は無料です。 農倫理学という学問をみなさんはご存じでしょうか? 応用倫理学の新しい分野として生まれた農倫理学は、「フードシステム」と呼ばれる一連のプロセス、すなわちべ物の生産・加工・包装・流通・調理・消費・廃棄というプロセスにおいて、わたしたちが他者にどのような影響を与えているのかを倫理的に検討する学問です。 「何をべるか」というのは、たんに個人の嗜好や選択であって、個々人のライフスタイルの問題にすぎないように一見、みえます。しかし、わたしたちの習慣や選択は、想像以上に多岐にわたる影響を社会と生態系に与えています。ざっと数え上げれば、労働者の搾取、環境負荷、飢餓問題、気候変動、そして生物多様性といった諸問題に、わたしたちの

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  • 動物のもつ倫理的な重み――動物倫理と環境倫理の対話/久保田さゆり×吉永明弘 - SYNODOS

    シリーズ「環境倫理学のフロンティア」では、環境倫理学の隣接分野の研究者との対話を行います。今回は「環境倫理×動物倫理」として、若手の動物倫理の研究者である久保田さゆりさんと対話を行います。久保田さんは、「動物にたいする倫理的配慮と動物理解」や、「動物にたいする不必要な危害と工場畜産」によって、地に足のついた動物倫理の考え方を多くの人が納得できる形で提示しています。今回は、そこで展開されている議論をふまえて、動物倫理の最新の研究内容と、そのなかでの久保田さんの立ち位置についてお聞きします。 吉永 最初に環境倫理と動物倫理の関係を簡単におさらいします。1970年代にアメリカに登場した環境倫理学のなかで、ピーター・シンガーの「動物の解放」やトム・レーガンの「動物の権利」の議論が紹介され、人間以外の生きものを倫理の中心にすえる「人間非中心主義」の一つの代表として位置づけられた。シンガーやレーガンが

    動物のもつ倫理的な重み――動物倫理と環境倫理の対話/久保田さゆり×吉永明弘 - SYNODOS
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    agrisearch 2021/03/23
    「環境倫理×動物倫理」「特に畜産業をめぐって一般的にアニマルウェルフェア論と呼ばれる立場では、動物を「殺す」ということ自体の倫理的問題が論じられない傾向にあります」
  • 環境を美的に鑑賞するということ――環境美学と環境倫理学との対話/青田麻未×吉永明弘 - SYNODOS

    シリーズ「環境倫理学のフロンティア」では、環境倫理学の隣接分野の研究者との対話を行っていきます。第一回目は「環境美学×環境倫理学」として、若手の環境美学の研究者である青田麻未さんと対話を行いました。 今回のテーマである「環境美学」について、青田さんにお聞きしたところ、以下のような説明をいただきました。 「環境美学とは、1960年代後半から1970年代ごろ、イギリス・アメリカ・カナダといった英語圏で、現代美学の一分野として興ったものです。その背景には、当時の美学が自然美論を無視していたこと、そして、社会において環境問題への関心が高まったことがありました。当初は原生自然と言われる、手つかずの自然が持つ美的価値について、中心的に議論していました。しかし現在では、人間が住む環境も含めた幅広い環境において、私たちの感性がいかに働くのかについて、多角的に論じる分野へと成長しています。」 青田さんは、今

    環境を美的に鑑賞するということ――環境美学と環境倫理学との対話/青田麻未×吉永明弘 - SYNODOS
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    agrisearch 2020/10/30
    「人びとが自然を守ろうとする本当の動機は、「この美しい自然を残さねば!」という美的な使命感ではないかと思うのです。」
  • オーツ麦と環境活動家グレタ・トゥーンベリ――環境配慮のグローバル常識/ジェンセン美佳 - SYNODOS

    北欧のNo1.レストランと呼ばれるNoma(レストラン・ノマ)をご存知だろうか。その世界的にも注目されるレストラン・ノマのシェフであるレネ・レゼピ(Rene redzepi)とクラウス・マイヤー(Claus Meyer)が北欧料理の探求のために設立したのが、ノルディックフード・クラブだ。科学的知見と料理芸術を融合し、たとえば海藻の旨味を引き出す料理の提供を行う。彼らは、2004年に10からなるマニフェストを提唱し、体によく、地域に根付いた、環境にも良い事を提唱し、国際的な認知を獲得した。 北欧キュイジーヌ: マニフェスト 1.北欧という地域を思い起こさせる、純粋さ、新鮮さ、シンプルさ、倫理観を表現する 2.に、季節の移り変わりを反映させる 3.北欧の素晴らしい気候、地形、水が生み出した個性ある材をベースにする 4.美味しさと、健康で幸せに生きるための現代の知識とを結びつけ

    オーツ麦と環境活動家グレタ・トゥーンベリ――環境配慮のグローバル常識/ジェンセン美佳 - SYNODOS
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    agrisearch 2020/08/17
    「菜食は、今までも健康志向、動物愛護の観点からも注目されてきたが、ここにきて美味しくなっている点は重要だ。美味しくて、栄養も取れるのであれば、地球に優しい選択肢の方がいい」
  • 「捏造」という言葉の重さについて――批判の自由か《排除》か/志田陽子 - SYNODOS

    近年、「捏造」(ないし「ねつ造」)という言葉によって研究者や文筆家を論難する発言が見られる。こうした発言を名誉毀損に問う裁判も起きている。ジャーナリスト・植村隆氏が提起した二つの裁判(2019年6月26日東京地裁判決・東京高裁で控訴審係争中、2020年2月6日札幌高裁判決、最高裁に上告手続き中)や、研究者グループが提起した「フェミ科研費裁判」(2019年2月12日提訴・係争中)などである。この問題で、「表現の自由」を確保するための解釈はどうあるべきだろうか。 以下は2月24日に行われたシンポジウム「フェミ科研費裁判から考える「表現の自由」と「学問の自由」」(於 同志社大学)での登壇報告をもとにまとめた論考です。質問は、司会者の問いかけや質疑応答でいただいた質問を参考に、筆者(志田)のほうで再構成しています。 ――近年、大学所属の研究者が「捏造」「剽窃」などの研究不正に問われる事例が増えてい

    「捏造」という言葉の重さについて――批判の自由か《排除》か/志田陽子 - SYNODOS
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    agrisearch 2020/07/21
    「その(研究不正の)公表の目的が公共の利益のためだったこと、その内容が真実だったこと、または真実相当性があることが証明されたときには、名誉毀損が成立しないことになるのです」
  • 公正で倫理的な「天秤」を持つ――がんのスクリーニング検査のメリットとデメリット/津金昌一郎氏インタビュー / 服部美咲 - SYNODOS

    近年日では、「国民の2人に1人が一生に一度は「がん」と診断される」と推計されている(85歳までの年齢を5歳ごとに区切って算出する「年齢階級別罹患率」による)。 また、国立がん研究センターがん対策情報センター公開の以下のグラフを見ると、日人のがんによる死亡率も、高齢になるほど増加していることがわかる。平均寿命が延びたことや社会の高齢化が、がんの罹患率や死亡率増加の最大の原因であると言える。 がん対策は、「予防」と「治療」に大きく分類される。 がん予防としては、発がんリスクになり得るとされるもの(注1)を控えたり、逆に発がんリスクを下げ得るとされるものを生活に取り入れたり、またごく一部のがんについては、予防的に服薬をしたり手術をしたりすることなどがあげられる。 (注1)農林水産省「国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん物質について」 しかし、たとえばあるがんの予防に効果が認めら

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  • こんな「リベラル」が日本にいてくれたらいいのに/大賀祐樹 - SYNODOS

    自民党には入れたくないけど、かといって他に入れたい政党は無いなぁ……」 選挙で投票する時、こんな風に感じたことのある人もいるのではないだろうか。自民党の一強状態が続いているとしても、無党派層の数は多い。二〇一九年七月のNHKの世論調査では、自民党の支持率34.9%に対して、「支持なし」の回答は38.3%と上回っている。一方、野党で一番支持を集めた立憲民主党でも5.8%に留まる。安倍内閣を「支持しない」という回答が31%であるのに対して、与党の公明党を除いた野党の支持率の合計は保守寄りとされる日維新の会を入れても14.1%に過ぎない。 このことから考えられるのは、自民党や安倍内閣を支持する人が多く存在している一方で、自民党や安倍内閣を支持したくないと考えている人も少なからず存在していること、それにも関わらず、自民党や安倍内閣以外に積極的に支持したいと思える政党があると感じる人がかなり少な

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  • 福島県の甲状腺検査は一刻も早く中止すべきだ――森田知宏氏インタビュー/福島レポート編集部 - SYNODOS

    東京電力福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」)の事故を受け、福島県は、事故当時18歳以下だった県民を対象に、超音波による甲状腺スクリーニング検査(甲状腺がんの可能性の有無をふるい分ける検査。以下「甲状腺検査」)を実施している。チェルノブイリ原発事故後に周辺地域で多くの子どもが甲状腺がんと診断されたことから、福島第一原発事故後の福島県民の間に高まった不安を受けて開始された検査である。 各分野の専門家などによる県民健康調査検討委員会や甲状腺検査評価部会では、検査の意義や進め方、問題点をめぐって激しい議論が続いている。議論の中では、甲状腺検査の当事者である子どもや保護者が、十分な知識を持たずに検査を受けている状況も問題視されている。 森田知宏氏(相馬中央病院医師)は、この甲状腺検査に1年間携わった後、2019年3月に、検査資格の更新をしない決断をした。森田医師に、甲状腺検査実施への関与をや

    福島県の甲状腺検査は一刻も早く中止すべきだ――森田知宏氏インタビュー/福島レポート編集部 - SYNODOS
  • 原発事故と「食」――市場、コミュニケーション、差別/五十嵐泰正 - SYNODOS

    都市社会学・地域社会学を専門領域とする私は、放射能の「ホットスポット」となった千葉県柏市で、地域の生産者・消費者らによる協働的な放射能測定と情報発信プロジェクトに携わったことを皮切りに、東日大震災以降、おもに地域づくりと農漁業復興の観点から、放射能災害被災地の品をめぐるコミュニケーションに実践的に取り組んできた。そんな自身の経験を踏まえて上梓した『原発事故と「」――市場、コミュニケーション、差別』(中公新書、2018年2月)を、自著紹介したい。 震災後6年以上も経った時期になってこうしたテーマのをあえて書いたのは、twitterなどを舞台に、原発事故後の放射線リスクをめぐる「罵りあい」が一部の人たちの間で延々と続く一方で、大多数の人々は、終わりが見えない論争を横目に被災地への関心を失ってゆく、そういう状況が私にはどうにも不健全に思えたからだ。そしてこの構図は、その後さらに2年近く経

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  • 「つくられた自然」の何が悪いのか――「自然再生事業」の倫理学/吉永明弘 - SYNODOS

    今年の夏もひどく暑かった。この暑さと人が排出したCO2の蓄積との因果関係などについては私には判断がつかないが、都市部の暑さの原因には人為的な要素が明らかにある。舗装道路の照り返し、エアコンの排熱、緑地の少なさなどは、少なくとも体感レベルには大きな影響を与えていると思う。地球規模の話をしなくとも、現在のこのような環境は人間が生み出している部分があることは否定できないだろう。 私の専門分野は環境倫理学であり、特に「都市の環境倫理」について考えている。現在、多くの人々は都市に住んでおり、都市環境とは我々にとっての住み場所としての環境である。都市は自然と対立させられ、都市=自然がない地域と表象されることもあるが、それは誤りである。都市部にも自然が存在する。そして都市部の自然こそこれから維持していかなければならないものなのだ。 このような問題意識を背景にして、『現代思想』(青土社)の9月号の「特集=

    「つくられた自然」の何が悪いのか――「自然再生事業」の倫理学/吉永明弘 - SYNODOS
  • 福島の甲状腺検査にはどんな害があるのか? - SYNODOS

    東京電力福島第一原子力発電所の事故の後、福島県は、原発事故当時18歳以下だった全県民を対象に、甲状腺がんスクリーニング(甲状腺がんの可能性の有無をふるい分ける検査)を行っています。 一般的に、甲状腺がんスクリーニングで無症状の甲状腺がんを発見すると、利益よりも害が上回るとされています。WHOのIARC(国際がん研究機関)は、たとえ原子力事故があっても、甲状腺がんスクリーニングを推奨していません。 福島県立医科大学の村上道夫准教授らが、子どもの甲状腺がんの過剰診断(無症状のうちに発見されなければ、生涯症状を出したり生命に影響を及ぼしたりすることのなかったがんを見つけること)による害を4つ指摘しました。 1.小児がんを経験した人は、身体的な負担だけでなく、就職や結婚などに際し、心理的・社会的な不利益を被る。この不利益は、甲状腺がんと診断されたことそのものによって生じるため、経過観察などによって

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  • 福島の甲状腺検査に国際的な勧告を生かすには――IARC専門家に聞く/Louise Davies氏インタビュー / 服部美咲 - SYNODOS

    福島の甲状腺検査に国際的な勧告を生かすには――IARC専門家に聞く Louise Davies氏インタビュー / 服部美咲 インタビュー・寄稿 東京電力福島第一原子力発電所の事故の後、福島県は県民健康調査の一環として、原発事故当時18歳以下だった全県民を対象に「甲状腺検査」を実施している。この検査は、無症状の集団を対象に、甲状腺がんの可能性の有無を調べる甲状腺がんスクリーニングである。 甲状腺がんは、別の要因で亡くなった方を解剖すると、多くの人の甲状腺に発見されるがんである。つまり、甲状腺がんは、多くの人の甲状腺に発生していながら、そのほとんどが一生症状を出さない(一生治療の必要がない)がんであると考えられる。 無症状の人たちを対象にした集団検診によって発見しなければ、一生症状が出ず、生命や健康を害することがない、したがって治療の必要がなかったはずの病気を発見することになる。これを「過剰診

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    agrisearch 2019/10/12
    「原子力事故後の甲状腺検査のあり方を調査・研究する国際専門家グループTM-NUCを発足…翌年2018年、「原子力事故後の周辺地域における甲状腺がんスクリーニングを推奨しない」と勧告する文書を出した」
  • 動物にたいする倫理的配慮と動物理解/久保田さゆり - SYNODOS

    私たちの社会には、人間の他にも、多くの動物が含まれている。たとえば、犬やなどのコンパニオン・アニマル(伴侶動物)は、その多くが人間の生活圏の中で生き、人間と密接な関係を築いている。 また、全国にある動物園や水族館(日動物園水族館協会加盟施設だけでも、2017年7月現在で151施設)では、さまざまな種類の野生動物が飼育・展示されており、私たちはそうした動物を国内の整備された環境のなかで見ることができる。 実験動物や、豚や牛や鶏といった畜産動物もまた、人間社会のなかで生きる動物である。私たちの多くは、かれらが生きている姿を直接に見る機会は少ないかもしれないが、身の回りの製品や、日々の事などを通して間接的にそうした動物と関わっている。 こうした動物たちのことを、私たちはどのような存在として理解しているだろうか。このことを少し真面目に考えてみることが――動物との向き合い方をめぐる学術的な議論

    動物にたいする倫理的配慮と動物理解/久保田さゆり - SYNODOS
  • リスクと価値――福島での経験から/村上道夫 - SYNODOS

    リスク学は、人と社会の意思決定のための科学です。 平たくいえば、どのような選択をし、どのように生きるのかという「個人としての意思決定」と、どのような対策を進めて、どのような社会を目指すのかというような「社会としての意思決定」に役立つための科学です。 例えば、お酒を飲むか飲まないか、という意思決定について考えてみましょう。お酒を飲めば楽しいけれど(※人によります)、お金がかかるし、たくさん飲みすぎたら肝臓に良くないかもしれません。一方で、お酒を飲まなければ、お金はかからないし肝臓には悪くないかもしれませんが、楽しみは得られません。 このような個人としての意思決定に役立つような科学的知見――例えば、飲み過ぎによる病気のリスクなど――を提示することはリスク学の役割の一つです。また、受動喫煙の規制をするかしないかといった社会としての意思決定についても、社会に生きる人々全体の病気や費用、便益、自由、

    リスクと価値――福島での経験から/村上道夫 - SYNODOS
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    agrisearch 2019/05/30
    「リスクトレードオフ」
  • 世界から無視される日本/畠山勝太 - SYNODOS

    こんにちは、畠山です。今回は国際教育協力と日について話をしようと思います。国際教育協力分野の論文も掲載してくれる学術誌にはいくつか媒体がありますが、International Journal of Educational Development(IJED)は名称そのままに、全編国際教育開発を扱う稀有な学術誌です。そのIJEDの2019年1月号に、国際教育協力におけるアクターを分析した大変興味深い特集があったので、それをご紹介します。 どういった国が教育援助を受け取っているのか? まずは国際教育協力における二国間援助の結びつきを分析した論文からご紹介しようと思います。この論文は、まずどういった特徴を持つ途上国に教育支援が集まっているのか重回帰で分析しています。指標の選択やモデルにかなりツッコミの余地があるので、結果をきっちり受け取るよりは、ざっくりとこういった傾向があるぐらいに取っておくと

    世界から無視される日本/畠山勝太 - SYNODOS
  • 福島第一原発事故後、新生児の異常は増えていない――低出生体重児・先天奇形・先天異常は全国と同じ - SYNODOS

    東京電力福島第一原子力発電所事故によって始まった福島県県民健康調査で、福島県立医科大学は「妊産婦に関する調査」を実施しています。調査には、福島の新生児の体重や異常の有無などが含まれています。2017年度は、福島県内の市町村から母子健康手帳を交付された人と、福島県で里帰り出産した人の計1万3552人を対象に調査し、6,422人から有効な回答を得ました。 調査結果によると、2017年度に福島で生まれた子どものうち、低出生体重児(2,500g未満)の割合は9.4%でした。これは、2016年の全国平均(9.4%)と同じです(2011~17年度は8.9~10.1%の範囲で推移)。 また、先天奇形・先天異常の発生率(単胎)の割合は2.38%でした。全国の平均的な発生率は3~5%で、福島は全国平均より低い水準です(2011~17年度は2.24~2.85%の範囲で推移)。 このように、福島の低出生体重児と

    福島第一原発事故後、新生児の異常は増えていない――低出生体重児・先天奇形・先天異常は全国と同じ - SYNODOS
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    agrisearch 2019/05/30
    「福島県県民健康調査で、福島県立医科大学は「妊産婦に関する調査」を実施」