納税額の低い人を「税金泥棒」と見なす社会は、どう克服されてきたか 私たちはこの達成をすぐに忘れてしまう 「特権」という伸縮する自由 「権利と義務は表裏一体の関係である」—— 義務とは、「軍役」のない日本では納税になろう——というのが現代社会に蔓延する最大の誤解の一つである。この誤解は、特権(Privileges)と権利(Rights)の区別がついていないことによって生じている。特権とは、中世から初期近代にかけて存在した封建社会における法概念である。 3世紀から5世紀にかけて発生した、いわゆる「ゲルマン諸部族の大移動」により、古代以来のローマ帝国の衰亡は決定的なものになった。この「大移動テーゼ」にまつわる歴史学的にデリケートな検討はここでは傍に置き、ローマ帝国衰亡以降のヴァンダル人、フランク人、アングロ・サクソン人などのいわゆる「蛮族国家」の統治秩序が要するにいかなるものであったかを概観しよ
![納税額の低い人を「税金泥棒」と見なす社会は、どう克服されてきたか(石川 敬史) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/42444a052bf3bc51b61cd468c56cc1483596e08b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F2%2F2%2F1200m%2Fimg_220121e4972d4f8f6cdc1a5c9230ca2166768.jpg)